『返品して!』ECショップの典型的クレームトラブル13個と解決《ネットショップ運営初心者が読むべき事例》
INDEX
ECショップ(ネットショップ)の典型的トラブル事例と解決策
《トラブル1》返品(交換)と言われた(こちらに責任のないケース)
トラブルの典型事例
典型事例
ECショップ(ネットショップ)を開業して、1ヶ月。
努力の甲斐もあって、ちょくちょく商品が売れ出し嬉しい限り。
先日も、一つ商品が売れ、お客様とのやりとりも終了し、商品も遅滞なく発送した。
そのお客様よりメールが届き、『何の連絡だろう?』と開封してみると・・・。
そこには、『思っていたのと違います。返品お願いします。』との文字が・・・。
質問!
特に自分では対応にも商品にも不備はなかったと考えており、客観的にもその通りである場合、こういう要望は受けないといけないのでしょうか?
僕がECショップ運営で実際に解決した解決策の例
このトラブルの出現頻度は?
厳密にはECショップ(ネットショップ)トラブルとは言えませんね。
ただ、こういう要望をされるお客様は少数ですがいらっしゃいます。
トラブルの中では、どちらかというと出現頻度は『低』です。
ECショップ(ネットショップ)側になんの落ち度もない返品は受けないといけない?
ところで、ECショップ(ネットショップ)側は、このお客様の要求を受けないといけないのでしょうか?
答えは、当然No!です。
法律的にも返品を受けなければならない義務はありません。
まぁ、この辺は、常識通りです。
このような事例でも、凄いお客様は、『お店はお客様は神様なんでしょ』と本気で考えておられる方もいらっしゃいます。
僕も、過去上記の言葉を頂戴しました(笑)
その際は、丁寧にこちら側に落ち度がない点を説明させてもらい、根気強く対応させてもらった次第です。
但し、返品を受けるかどうかは、ECショップ(ネットショップ)側の自由
法律的には、特に返品を受ける義務はありません。
でも、返品を受けるかどうかは、ECショップ(ネットショップ)側の自由で、何とでもなります。
あなたが、損害覚悟で受けるという決断を下したならば何の問題もありません。
でも、こういう事例で返品を受けていてはECショップ(ネットショップ)の利益は楽に吹っ飛ぶ!
僕ならば、この事例では、絶対に返品には応じません。
近年、ECショップ(ネットショップ)は商品自体を生産できる会社や個人を除いては、極めて熾烈な価格競争を勝ち抜いていかなければなりません。
返品の際の送料分まで負担し、サービスしていては、利益が吹っ飛びますので、商売になりません。
《トラブル2》『一切返品不可』と書いてあるにもかかわらず返品(交換)を要求された
トラブルの典型事例
典型事例
ECショップ(ネットショップ)を運営して3カ月・・順調に運営を続けていた。
ある日、メールのチェックを行っていると、お客様より連絡が。
開けてみると、『商品に少しキズがあるので返品したい』とのこと。
ただ、あなたのECショップ(ネットショップ)では『一切返品不可』(いかなる場合も返品不可)の一文を事前の同意事項にとしている。
また、どうやら商品自体のキズは、ショップ倉庫で保管中にできたキズで、宅配の運送中についたものではない。
キズの程度も、商品を使用するのには特に問題のないほどのもの。
質問!
このような場合、一切返品不可という事前の同意事項に相手が同意している以上、返品に応じなくてもいいの?
僕がECショップ運営で実際に解決した解決策の例
オークションサイトではよくあるトラブル
オークションを利用している人だと、この手のトラブルは腐るほど出会うと思います。
お客の立場で、商品を購入したのだけれども、商品に不備がある。
でも、オークションの同意事項には『ノークレーム・ノーリターン(クレームと一切の返品禁止)』の記述。
出品者に問い合わせたのだけれども、ノークレーム・ノーリターンを盾に取り合ってもらえない。
こんなクレームトラブルはよく見かけます。
あなたのECショップ(ネットショップ)は当該クレームトラブルにおける返品に応じなくても良いか?
このクレームトラブルの前提として、この商品は『新品の商品』であるということを前提にしておきます。
(中古品だと話が違ってきますが、通常ECショップは(ネットショップ)は新品を扱っていると思いますので。)
そして、返品に応じなくてもいい絶対条件は、販売説明の記述に『小傷がある』『製造上のキズがある』などと明確に『キズの存在と程度』が書かれていることです。
記述がある場合、ECショップ(ネットショップ)側が返品に応じる義務は認めにくくなります。
逆に記述がない場合、たとえ『一切返品不可』の同意事項を設けたとしても、返品には応じる義務があると考えるが自然です。
正直、『一切返品不可』は免責ワードではなく、せいぜい『販売説明に書かれた事項に関しては後でクレームしても返品は受けられないよ』というくらいの意味しかないと考えておきましょう。
商品の『キズの程度』も参考にすべき事情
あとはキズの程度ですね。
キズの程度が、『商品の使用に問題がない程度』であれば、お店側が返品に応じる義務は、低くなると考えることができます。
逆に、たとえ、販売説明に『キズの存在と程度』を記載している場合でも、この記載と大きくかけ離れている場合は、ECショップ(ネットショップ)側は返品に応じる義務があります。
法律的な根拠は、債務不履行や錯誤無効を挙げる人が多いですが、専門的な話をすると混乱するので、割愛します。
『どうしても応じたくない』という場合はこれらの事情を考慮して対応を検討します。
ただ、僕ならば、普通に返品を受ける。
明確に『キズの存在と程度』についての記述がECショップ(ネットショップ)の販売説明に記載されている場合・・・
僕でも、このクレームトラブルには、理由を説明して応じることはありません。
でも、この事例の場合は、特にそういう記載もされていないようです。
そのため、キズの程度はそう大きくないものの、返品を受けるか、減額で対応するのがセオリーだと思います。
《トラブル3》返品(交換)と言われた(配送時の破損によって)
トラブルの典型事例
典型事例
ECショップ(ネットショップ)を始めて第1号のお客様とのやりとりが終了した。
早速、運送業者に配送を依頼し、商品の発送が完了。
ところが、後日、そのお客様より『商品が破損しているので取り替えて欲しい』とのご連絡が。
配送時特に商品に破損などなかった。
質問!
どのように対応すべきでしょうか?
僕がECショップ運営で実際に解決した解決策の例
ECショップ(ネットショップ)側は当然交換(返品)を受けるべき?いえいえそうではありません。
このトラブルの場合、当然、交換(返品)を受けるべきという人は多いと思います。
ただ、この場合、『返品』は原則対応しなくてもOKですね。
問題は交換です。
ECショップ(ネットショップ)がこのトラブル事例で、交換を受けるかどうかは、『配送方法』によって変わってきます。
『補償のある配送方法』か『補償のない配送方法』か?
以下それぞれ書いていきますね。
『補償のある配送方法』の場合のECショップ(ネットショップ)のトラブル解決のセオリー
『補償のある配送方法』とは、一般に、ゆうパックや宅急便などの、配送が高額な宅配方法のことをいいます。
みんながイメージする、一般的な荷物の配送方法ですね。
当該トラブルで、ECショップ(ネットショップ)がこの配送方法を選択した場合、一般的には交換に応じるのがセオリーですし、その義務があります。
法律的な根拠は債務不履行ということになるのですが、ここは判例理論が結構難解なため説明しようとするとそれだけで一つ記事がかけるので割愛します。
まぁ、常識的にも、ここは交換に応じるのが普通なので、ここは特に悩む人はいないでしょうね。
この場合は、運送業者に連絡し、対応を協議すればすぐに対応してくれます。
これは運送業者が通常負担してくれます。
お客様に商品を届ける際に利用した運送業者に、破損があったことを連絡すれば、全て対応してくれます。
ここは、電話一本で案内してくれますから、これまた悩む必要はありません。
ちなみに、補償が充実しているのはやはりヤマト運輸です。
『補償のない配送方法』の場合のECショップ(ネットショップ)のトラブル解決のセオリー
『補償のない配送方法』とは、一般的にイメージする配送方法ではなく、代表的な配送方法は『定形外』『メール便』になります。
この配送方法は、一般に、『補償のない配送方法』で浸透しています。(これは交換に応じる必要のない理由ではありません)
この配送方法を用いて配送をした場合、原則としてECショップ(ネットショップ)が今回のトラブルで交換に応じる必要はありません。
この配送方法を選択した場合でも、以下の条件を満たさない場合は、ECショップ(ネットショップ)は交換に応じるのが解決のセオリーです。
- 事前に同意事項で『補償のない配送方法』についての説明をしている
事前に、お客様に説明し免責事項に同意を得ていない場合は、交換しないというECショップ(ネットショップ)の対応はありえません。
まだまだ続く!次のページからは典型的なトラブル4事例より!