『返品して!』ECショップの典型的クレームトラブル13個と解決《ネットショップ運営初心者が読むべき事例》
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ECショップ(ネットショップ)の典型的トラブル事例と解決策《続き!5ページ目♪》
《トラブル11》配送した商品が『長期不在』で戻ってきた
トラブルの典型事例
典型事例
運営しているECショップ(ネットショップ)にお客様からある商品の注文が入り、その日のうちに入金を頂いた。
そこで、即日配送を完了して、取引は終了したと考えていた。
ところが、後日、荷物が返送されてきた。
質問!
即配送したにもかかわらず、荷物が返送されてきてしまったので困っている。
どうすれば?
僕がECショップ運営で実際に解決した解決策の例
ECショップ(ネットショップ)側から即連絡が基本
これはクレームトラブルというよりは、単なるトラブルですね。
まぁ、通常は即お客様へ連絡を入れるのがセオリーでしょう。
ここで、お客様の希望によって、『再送希望』か『キャンセル』か?を伺うことになろうかと思います。
ちなみに、即連絡をしないで放置すると、クレームトラブルの原因になりますので、当たり前ですが連絡しましょう。
配送量が膨大になるECショップ(ネットショップ)では、自動キャンセルを事前同意事項に記載しているところもある
荷物の出荷量が膨大になる大きなECショップ(ネットショップ)の場合は、返送された荷物を自動的にキャンセル扱いとするところも多いです。
ただ、個人規模では、できれば利益を取っていく方がメリットが大きいので、手間がかかるようですが、連絡してお客様とやり取りをする方がよいと思います。
(まぁ面倒ですが・・・)
ちなみに、送料の負担は、ECショップ(ネットショップ)側に責任がない場合は、お客様負担とするのが普通です。
《トラブル12》商品画像と違うから返品と言われた
トラブルの典型事例
典型事例
ECショップ(ネットショップ)で注文を受けた商品の配送が完了し、無事、お客様に到着したようだ。
ところが、お客様より『ショップに掲載されている商品画像と違うので返品したい』というクレームが届いた。
質問!
ECショップ(ネットショップ)の管理画面や、自宅のPCで画像を確認したところ、個人的には特に違ったところは見受けられません。
ただ、すこし角度を加えて写真を撮影しているため、全体的な雰囲気について人によっては実物と少々違いを感じる人はいるかもしれません。
このような場合、返品を受けなければいけないのでしょうか?
僕がECショップ運営で実際に解決した解決策の例
ECショップ(ネットショップ)側は原則応じる必要はない
掲載している画像はどうしてもイメージである面がありますので、原則的には、『画像と違うから』というだけで返品に応じる義務はありません。
法律的にもこれで問題ありません。
但し、事前告知の同意事項などには、『画像はイメージであり多少の違いやモニターによる色味の違い』がある場合について記載をしておくのが無難
どのECショップ(ネットショップ)でも、基本的に、『画像はイメージで、モニター(閲覧環境)によっては色合いなどが違う場合がある』点についての規約があります。
一言、この規約は書いて置きましょう。
そちらの方がお客様からクレームが来たとき、トラブルを処理する根拠に引用しやすいですから。
画像が原因で返品に応じなければならないこともある
例えば、モニターによって多少の色合いの違いがあると言っても、『誰がどう見ても全く色が違うような場合』などは、返品の応じるのがセオリーです。
法律的にも、こういう場合は、返品に応じる義務があります。
他にも、例えば、写真の撮影時、商品に角度をつけすぎ、明らかにデザインが違うように見えてしまう画像だったような場合は、微妙ですが返品に応じるのが無難だと思います。
また、画像のデザインと、実物の商品が全く違うような場合は、言わずもがなトラブル解決のためには、返品を受ける必要があります。
《トラブル13》寸法が表示と違うので返品と言われた
トラブルの典型事例
典型事例
運営中のECショップ(ネットショップ)では、主にビジネスシューズの販売をしている。
サイズ27㎝の表記であるビジネスシューズをお客様に販売した。
ところが、そのお客様より『表記のサイズは27㎝だけれども、届いたのは27.5㎝だった。取り替えてほしい。』との連絡が。
質問!
たった0.5㎝です。
そのくらいの誤差はあると思いますし、『多少の誤差はご容赦願う』旨事前の同意事項にも規約として書いています。
こんなときでも、交換に応じるべきでしょうか?
僕がECショップ運営で実際に解決した解決策の例
ECショップ(ネットショップ)では『寸法違い』のクレームは意外と多い。判断基準は?
おそらく、洋服を扱うECショップ(ネットショップ)では一番多いクレームトラブルだと思います。
基本的には、『その商品の寸法が少しでも違うと、お客様が商品を購入した目的が達成できない場合』には返品する義務が生じます。
基本的には、『多少の誤差は許容頂く旨』事前の同意事項には記載する
ECショップ(ネットショップ)での商品説明では、商品詳細として、『商品の実寸』を正確に記載する機会が多いです。
この商品の実寸ですが、どうしても1~5mmほどのわずかな誤差というのはどんな商品でも生じる場合があります。
たとえ、メーカーから提示された、カタログの寸法通りに記載しても、製造上の問題から、誤差は必ず生じてきます。
このような細かい違いにクレームをつけて、クレームトラブルを誘発させるクレーマーは意外といらっしゃいます。
でも、『サイズが1mm違う』などのクレームに対応していては、商売になりません。
そこで、基本的には、『多少の誤差は許容頂く旨』事前に告知するのがセオリーです。
クレームトラブルの解決だけでなく、予防にも効果的。
とはいえ、当該トラブル事例では、返品を受けなければならないと思う
サイズ違いについては、基本的に、『その商品の寸法が少しでも違うと、お客様が商品を購入した目的が達成できない場合』かどうか?で判断しました。
洋服や調理器具、雑貨などの場合だと、この基準に該当することはほとんどありません。
相当、サイズが違うとか、実寸が2cmも3cmも違うならば話は別ですが、数ミリだと、返品理由にはなりません。
でも、ビジネスシューズはかなりシビアで、当該トラブル事例ではこの基準に当たるといってよいと思います。
そのため、返品を受けるのが普通だと思います。
靴・ビジネスシューズはサイズにシビア
たった5mmですが、ビジネスシューズは、5㎜単位でサイズが変わりますから、これだけ誤差があると、もうサイズ違いです。
つまり、『サイズ違いの別の商品を送付した』ということと同じですから、返品しなければならない場合がほとんどです。
僕も一度経験したのですが、靴・ビジネスシューズはかなりサイズにシビアなので注意しましょう。
当該トラブルの解決のためには、返品を受けるのが普通でしょう。
ECショップ(ネットショップ)のクレームトラブルを防止するには事前の対応策(規約)が最重要
ここまではECショップ(ネットショップ)の典型的なクレームトラブルについて解決事例を見てきたが、やっぱり事前防止策を取るのがベスト
ECショップ(ネットショップ)の運営は、如何に効率的に運営するかが、利益を最大化するポイントだったりします。
ですので、可能な限り、『トラブルが生じないよう』『クレームが生じないよう工夫する』などの事前防止策が一番効果的です。
トラブルを解決するため、事前の同意規約をちゃんと充実させることが大切
ECショップ(ネットショップ)の運営をする場合、事前の同意事項として、規約を設けることが義務付けられてます。
大抵のECショップ(ネットショップ)をみると『特定商取引法に基づく記載』というページが必ず存在します。
この記載は法律によって義務付けられており、同時に規約としても機能しています。
ここで記述を義務付けられている返品条件などの記述を充実させることが、トラブル解決に非常に効果的です。
また、この記述はECショップ(ネットショップ)運営中クレームトラブルが発生したとき、これに対応する際の『強力な根拠』になります。
この規約に記載がある事項に関してのクレームは原則応じる必要がありません。
ですから、クレームトラブルの対応は基本的に、ここの記述を引用しながら対処しますので、ここの記述が充実していると、クレームトラブルへの対応が楽になりますので充実させましょう。
※もちろん、あまりにもお客様に不利な記述は法律によって『無効』ですから、機能しないことに注意しなければなりません。
最後に一言
いや~。
意外と大変でした。
いろいろな場合を想定せねばならず、記述量は多めですが、サクッと書いたので、『至らぬ点』が普通にあります。
この他にも、クレームトラブルはたくさん存在します。
全ての場合を想定すると、ここに書いた分量の何倍もの記述が必要になるので無理でした(笑)
典型事例で挙げた事実も、少し事実が違えば結論が正反対になるものもあります。
もし、ここで書いてある記述でもクレームトラブルが解決しない場合は、記事末端かサイドバーにある『相談サービス』より質問をして頂ければ、対応できるかと思います。
勉強の悩みを聞く形のサービスですが、クレームトラブルについてもご質問いただいて問題ありません。
※基本的には、こちらの相談サービスで『法律相談』はお受けできません。
それでは、この記事はこのくらいで。