中古のテキスト・参考書・問題集は使える?『法改正』と行政書士試験(法律資格)
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試験勉強に影響のある法改正の見極め方
どんでん返し!?法改正の影響を受けにくい『法律資格』でも、影響を受けてしまう『法改正の種類』がある!!これは注意!!
ここまでは、行政書士試験や、法律資格試験については、『法改正』の影響はさほど受けないという流れで書いてきました。
でも、どんでん返しをくらわすようで申し訳ありませんが、それは、『法改正』が小さく細かいものに限っての話です。
確認のため書いてみますが、法改正にも2種類あります。
『法改正』の種類
- 1)細かく枝葉末節の部分のこじんまりした法改正
- 2)その法律の根幹を揺るがす大改正
1)細かく枝葉末節の部分のこじんまりした法改正
一つは、ここまでの話で主に話題にした『小さな法改正(細かくマイナーなもの)』です。
特に、民法などでも見たこともないような条文がひっそりと改正されているようなものが代表的な例です。
他にも、法律自体ではなく、法律の運用をより具体的にしたルール(規則など)が変更された場合。
金融系ならば、社則や業界の決め事のようなマニュアルや、省庁の発表しているいわゆる『ガイドライン』というやつがこれに当たります。
2)その法律の根幹を揺るがす大改正
もう一つは、『その法律原理に影響を与える大改正』『条文の位置が全く変わってしまうような大改正』です。
詳しくは事項で。
注意!!法律の大改正を無視すると自爆するという話。
後者の大改正については、資格試験との関係でも絶対に無視できません。
十中八九、資格試験に影響が出てきます。
行政書士試験初め、公務員試験などでも同じです。
もちろん金融系についても大きな影響があります。
ある法律の根幹を揺るがすような大改正は、全ての資格に影響があります。
このような大改正は、最近でいうと『H17年会社法』の大改正が記憶に新しいのではないでしょうか?
この時期は僕も法律の勉強はしておらず、正直関係ない話でした。
ただ、その後いろいろ法律を勉強していく中で、よくこの話を聞きますので、現在は大きな改正だったのだなと認識しています。
改正のときは、かなり話題になっていたみたいです。
この改正は、条文の位置がガラッと変わったらしく、会社法をよく使う弁護士さんは四苦八苦して勉強したらしいです。(実際、弁護士に聞きました。)
前の会社法では、22条だった条文が書き換えられて、325条になってしまうのです。
これ、ありえない大改正です。
普通に法律全体を勉強し直さなければなりません。
こういう大改正は、有無を言わさず資格試験にも影響があります。
最近騒がれている大改正!?
ちなみに、最近騒がれている大改正は、民法の債権法改正です。
民法の債権法改正は、本屋でもかなり話題になっていますし、僕自身もその波に乗って数冊改正に関しての書籍を読んじゃいました。
まだどうなるか分かりませんが、ここは最近の注目ポイントであるかもしれません。
法改正情報を得る手段
『んじゃ、そう言う改正情報はどうやって集めりゃいいの??』
これ疑問ですよね?
早速その方法を見ていきましょう。
僕は下記のそれぞれの方法で、改正をチェックしています。
まぁそんなに頻繁ではありません。
数ヶ月にちらっと見るほどです。
特に、独学で行政書士試験に挑戦される方は、改正情報が自然に得られる状況にないため、参考にしてもらえるとリスクを最小限に下げることができます。
自分なりに改正情報を集めてみよう!!
法務省をチェック
⇒すぐ改正情報が取れるわけではありませんが、改正を耳にし、さらにもっと深く知りたいという時には良いです。
最新の六法を使う
⇒参考書・問題集は古くても、六法が最新であれば、なんとかなります。
少なくとも改正には気付くことができますので、知らないうちに本試験で間違えているという事態は防ぐことができます。
おそらく古いテキスト・参考書・問題集をご利用になる場合、一番の対処法は最新の六法を使用することだと思います。
資格試験予備校(スクール)のHPを確認する
⇒資格試験予備校(スクール)のHPに行けば、たまーに影響のある改正情報をUPしていることもあります。
改正による講座の全面改訂なんてPRがあると、大きな改正があった証拠ですので、対処しましょう。
本屋で法律コーナーを歩いてみる
⇒本当に影響のある改正の場合は、法律コーナーが『改正』の2文字で活況になります。
その分野に明るい学者さんや弁護士さんの解説書がビックリするほど、たくさん並びます。
衆議院サイトで確認する
⇒法務省同様深く知りたい時に。
こんな感じです。
特に、本屋と六法はかなり使える方法です。
中古の古いテキスト・参考書・問題集を使用するときの避けられないリスク達の話
中古の古いテキスト・参考書・問題集のリスク
- 1)学術的に意味のある改正は素人には分かりにくい
- 2)大改正か?小改正か?の判断は素人には難しい場合がある
- 3)いちいち調べるのは時間がかかることの影響
1)学術的に意味のある改正は素人には分かりにくい
誰もが注目する大改正であれば、非常に分かりやすいのです。
でも、実はこれ以外にも大きな影響を与える法改正というものが存在ます。
それは、その法律の原理原則に大きな影響を与える『学術的に意味のある』法改正です。
素人では判断できない改正
- 原則と例外がひっそり入れ替わっている
- 重要な原理を修正した法改正
- 判例の基準が具体化されて条文になっちゃった
- 学術的に対立があった論点を解決してしまう法改正
正直、この類の改正は、素人で対応することは難しいです。
どう影響が出るのか?わかりませんから(笑)
僕もちょろっと法律勉強していますが、全く分かりません。
ここは、頑張って法改正に対応しても、中古で古いテキスト・参考書・問題集を使用するリスクとして残ってしまいます。
2)大改正か?小改正か?の判断は素人には難しい場合がある
平成17年の会社法の改正などのように騒ぎになれば、分かりやすいですが、素人では判断できない大改正も正直存在します。
これも、古いテキスト・参考書・問題集を使用するリスクとして残ります。
3)いちいち調べるのは時間がかかることの影響
まぁ、ここがネックになるのは、忙しい人でしょう。
六法と教材との比較で『法改正があったような痕跡』を見つけました。
これ正しいのかいちいち調べにゃなりません。
そう多くはないでしょうが、こういう時には不安と・時間がかかるものですので、忙しい人であまり負担を負いたくない人には、十分なリスクになります。
古い教材を使用するリスクを踏まえて、『選び方』を模索する!
中古の教材の選び方!!
- 1)話題となった大改正を区切りとする
- 2)大改正があるなら、その1から2年後の教材がベスト!
- 3)よく改正される法律科目の中古教材の利用は避ける
- 4)古すぎるものは避ける
1)話題となった大改正を区切りとする
例えば、中古で5年前のテキスト・参考書・問題集を購入することを想像してみましょう。
大改正が過去5年前から現在までの間にあったかどうか?はその教材の利用価値を決める上で大変重要なメルクマール(基準)になります。
平成17年会社法大改正の話で言えば、中古で購入したテキスト・参考書・問題集がH17年以前のものであれば使えないということです。
対して、それ以降のものであれば、一応使えるという判断をすることになります。
2)大改正があるなら、その1から2年後の教材がベスト!
大改正をメルクマール(基準)に使えるかどうかを判断しました。
でも、より良いものを選ぼうと思えば、改正があって1から2年後くらいがベストです。
新しく運用される法改正後の法律には必ず改正の不都合が生じます。
この部分は何年かに渡って議論されます。
こういう部分で試験に出そうな部分が明らかになってくる1から2年後の参考書がベストです。
3)よく改正される法律科目の中古教材の利用は避ける
行政書士試験の法律科目で言うと、商法・会社法がこれに当たります。
商法はさほどでもありませんが、会社法は毎年のようにいろいろなところが改正されています。
こういう法改正が非常に頻繁な法律については、中古は使わないのが正解です。
4)古すぎるものは避ける
当然ですが、古すぎるテキスト・参考書・問題集は避けましょう。
例えば、いくら安いからといって10年以上前の教材などは絶対に選んではいけません。
10年前と現在とは、全く状況が違うのが普通ですから、重要な部分も変わってきている可能性が否定できません。
さらには過去、重要であった部分も、現在ではもう解決された議論になっているかもしれません。
あまりに古すぎる教材は使えませんから、絶対に避けます。
僕の場合は、古くても1から5年が限度と考えています。
まとめ
中古のテキスト・参考書・問題集は、非常に安いですよね。
『教材費をできる限り低く抑えたい!!』そういう人には非常に魅力的です。
最近は中古と言っても、非常にキレイなものが多いにもかかわらず、1年前のものが一気に半額になったりします。
魅力的です。
でも、中古のテキスト・参考書・問題集は、どうしても避けられないリスクがあります。
少し値ははるものの、最新の参考書・問題集を使用する方が、リスクを軽減するという意味で、選択として安全です。
改正を見つけたとして、自分で調べるのも面倒ですし。
ただ、テキスト・参考書・問題集選びは、ご自身の好きなものを自己判断で行うものです。
十分に検討された上、どちらを選ぶかは、自由です。
是非、自分の勉強環境に合わせてよい相棒に出会われることを祈っております。
それでは!