行政書士:『記述が苦手』なあなたは【いい加減】だから苦手なのだ!!
行政書士試験の出題形式の中でも、圧倒的な難易度を誇るのが記述形式です。
この形式の対策で頭を悩ます方は非常に多いのではないでしょうか?
知識の正確性も、択一形式で求められるレベルとは比較にならないほど高いレベルが要求されています。
正確にアウトプットできる、自由に知識を使いこなせる。
それほど高いレベルの記憶の定着がなければ記述形式では回答できません。
ただ、そんな記述式ですが、普段の一般的な勉強で7~8割は『必要な知識』を作り上げることは難しくはありません。
そのポイントと、コツについてじっくり書いていこうと思います。
これから勉強をはじめようと考えているが、記述式が難しそう。
そう、思われるれて身構えておられるそこのあなた!
是非、続きをお読みください。
『恐るほどでもない』と分かっていただけると思います。
INDEX
行政書士試験 記述対策 まずは情報収集・分析から!!
行政書士試験の記述対策について書いていきたいと思います。
僕が合格した時の経験と対策本を読んだ知識に基づいて記述していきたいと思います。
もちろん、万人に効果のあるものではないでしょうが、一般的にはここで書く対策で問題ありません。
行政書士試験の難易度が上がったと言われて久しいですが、上がったと言っても法律系資格の中では中堅の難易度です。
ただ、合格するには、ある程度まとまった勉強時間が必要な資格であることは間違いありませんので、忙しい社会人にとっては、取得難易度は高めです。
中でも記述対策は、勉強を初めて間もない場合『どこにどう手をつければ良いのか?』悩む方が圧倒的多数です。
パッと問題を解いてみても、その範囲は膨大に思えますし、何よりも、法律の専門用語を記述するという点は難しいという印象を加速させています。
ただ、範囲に限っていえば・・・。
僕の分析した結果、出題されるところは限定的です。
分析と言ってもそう大したことではありません。
資格試験の情報の宝庫である、過去問を分析します。王道でしょう?
●【ポイント】
- 過去、どの科目より出題があるのか?
- どのような問題の傾向なのか?
- どの程度書けば得点できるのか?
- 記述するためにどの程度思考が必要なのか?
- 難易度は?(これはある程度勉強が進んでから)
- 配点は?平均点は?
上記の内、どの程度書けば得点できるのか?これは結構微妙です。
自己採点になりますし、記述の答えは解答すべきポイントはあれど、完全解は存在しません。
さらに、勉強を初めてすぐの頃は、『どの用語が記述の得点の要素』であるか判断できませんから、ここを正確に求めることは難しい話です。
ではどうすれば良いのか?疑問ですが、後々の話になりますが、正確に得点力を計測するためには、どうしても1から2回は模試を受ける必要があります。
初期段階の勉強では、自分の実力を測る必要がありませんから、初めの内は模範解答と比較し、目分量の自己採点となるかと思います。
『まぁこんな雰囲気で書くのか~』という認識で十分でしょう。
こういった情報は、過去問を分析することによって、すべて得られる情報です。
是非、自分で分析してみましょう。
初めのうちは、ガッツリやる必要ありませんから、雰囲気がつかめる程度に分析してみましょう。
これをやることによって、自分に最適な対策を立てることにも役立ちますので、一度は過去問を分析するとライバルに差をつけることができます。
ちなみに、過去問を分析すればすぐに分かることがあることご存知でしょうか?
それは記述式の出題は、ほとんど行政法と民法からの出題に偏っているということ。
つまり、記述式の対策は、この2科目を重点的にやることが最も効果的で直接的な対策になるということです。
各科目別の対策は後述します。
記述式対策の注意点!!
どんぶり勘定は最低だッ!!!
記述式の場合、他の出題形式と比べて、より強く意識して対策しなければならない点があります。
それは、『知識の正確性』です。
択一式や多岐選択式の場合でも、もちろん知識を正確に覚えていることは大変重要です。
しかし、これらの形式は、万一あやふやな知識でも、消去法やテクニックを駆使すれば解けてしまうこともあります。
また、『あれ?どうだったっけ?』とど忘れ気味のあやふや知識でも、多岐選択式等では文章を読解するだけで解けるような問題が出ることもあり、国語力でカバーすれば回答できる場合もあります。(もちろん大半は判例を読んでなければ回答できませんが・・・。)
こういった『あやふや知識』でも対抗できる出題形式に対して、記述式では『あやふや知識』で望めば一蹴されるのがオチです。
つまり、知識の正確性のレベルが全く違うということです。
『あぁ~♪そんなのもあったな?』
という感じの知識では太刀打ちできません。
また、適切かつ正確に記述できなければ、点数がかなり寂しくなります。
法律の勉強は、『言葉』(文言等)が命です。
少し言い回しが違ってしまうと、全くニュアンスが違ってきます。
例えば、民法で無断転貸借で『信頼関係破壊の法理』というのがあります。
これには有名な言い回しがあり、『信頼関係が破壊されたと認めるに足りない特段の事情がある場合には解除できない』というものです。
ある程度勉強が進んだ方ならば、必ず目にしたことがあるだろう理論です。
この判例の有名な言い回しを、勝手に☆『信頼関係の破壊があれば解除できる』と読み替える人が少なくありません。
の判例で述べられた非常に分かりにくい言い回しについてですが、こちらは、原則解除ができないと言っています。
そして、解除権が発生するのは、例外的な場合だよと述べられているのです。
これに対して☆のように読み替えた言い回しは、原則解除できるという意味になってしまい、判例とは真逆のことを意味してしまうという致命的なミスを犯しています。
法律はこういうところ鬱陶しいですが、原則と例外が入れ替わると全く違うことになってしまいますので、注意しましょう。
判例の言い回しや、テキストの定義を、自分でアレンジしない。
特に判例の言い回しは少しでも加工すると意味が違ってしまう場合が少なくありませんから細心の注意を払いましょう。
こういった定義や判例の言い回しは、『1+1=2』と同じくらい正確に覚えるのが無難です。
定義や、判例の言い回しというのは、偉い先生方や優秀な判事の方々が『どうすれば、上手くやれるか』と頭をフルに回転させひねり出した『ゴールドフレーズ』ですから、ほんとそのまま覚えた方が良いですよ。
長々と書かれていて『分りにくい』のは確かですが、自分で手を加えることは避けましょう。
どうしても、短くしたい場合は、信頼できる参考書か専門書を参照することをおすすめします。
『正確に、自分で勝手にフレーズを加工せず極力そのまま覚える』これは、対策以前のごく基本的な法律を学ぶ者の基本です。
●【ポイント】
記述形式の対策に特化した勉強は必要か??
過去問を解いたことのある方は分かると思いますが、記述形式の出題を見ていると、勉強を始めてすぐの人は、面食らうと思います。
『こんなのどうやって書きゃいいんだッ!!』
初めの内はこんなのしょっちゅうです(笑)
そこで焦って、多くの方が採用される方法が、記述式対策、多岐選択式対策、短答式対策と、それぞれ対策を、個別に行おうとすることです。
各種形式に特化した参考書を一式ご用意される方がいらっしゃいます。
例えば、1冊まるまる多岐選択式形式で占められた問題集などです。
ですが、個人的な見解ですが、初めからこのような各形式別に特化した学習はおすすめできません。
実際、各形式個別に対策をしていると、無駄に量が多くなりますし、時間が余分にかかってしまいますから、モチベーションに影響しかねません。
『今日はこれだけやったぞ・・・でもまだあんなにある』
という状態になってしまい、やる気が減退してしまう可能性がありますから。
特に、仕事をされている方の場合、精神的にも体力的にも余裕が激減しますので、本当におすすめできません。
ではどうすれば?
僕のおすすめする方法は、とにかく形式にかかわらず、1冊を徹底的に回しやりきってしまうことです。
わからないところがあれば適宜、参考書を参照します。
そして、解説や参考書を読む時には、その問題の回答を得るだけでなく、記述対策をも意識して学習をすること。
これが順調に進めば、7~8割程対策は完了してしまいます。
各個別形式に特化した問題集を解く場合は、このあとでも遅くありません。
模試などで苦手な形式が発覚してからでも十分間に合います。
では、記述対策を意識して学習するとはどのようにすれば良いのでしょうか?
その重要なポイントについては、後述します。
行政書士試験記述対策 ~民法をやっつける~
さて、民法の記述式対策のおさえるべきポイントです。
行政書士試験の法律系科目の出題は、本当にごくごく基礎的な論点からの出題がよく見られます。
そして、記述形式の場合は、さらにこれが顕著ですから、記述形式の対策こそ基本に忠実に行うことが本当に大切です。
ポイントは、『よく出てくる論点』『よくでてくる条文』『よく出てくる定義』『よくでてくる条文の趣旨』です。
例えば、民法177条。
この数字をみて、何の話か分らなければ、基本ができていません。
それほど、誰でも知っている条文です。
他には、94条。
これも、民法を学べば知らない人はいない条文です。
こういった基本的な条文の論点がどういった話だったか?をこれを地道に勉強し覚えていきましょう。
そして、その条文の趣旨をおさえます。
民法は条文の趣旨が大切です。
その条文は、何故あるのか?どういった目的で設けられているのか?これ必ず参考書に書いてあります。
逆に、民法で趣旨の書いてない参考書は参考書ではありません。
次に、法律用語の定義をおさえましょう。
もちろん、この論点にかかわるものだけでかまいません。
次に、その論点がなぜそういった結論になるのか、理由を軽く押さえます。
最後に、各論点には、想定される場面があるのですが、この具体例もできれば簡単に覚えます。(具体例は、まぁこんな感じ?って程度の暗記で十分です。)
具体例を印象づけるコツは『図』で書いてみることです。
図で書くとかなり印象に残りますし、こういった具体的な事案をイメージできなければ民法の理論は本当の意味で使えるようになりません。
民法の鉄則のようなものなのですが、具体例を図にして覚えるというのは、頭を整理する上で非常に有効です。
問題の分析スピードが格段に上がりますから、択一対策にも絶大な効果を発揮します。
以上のことだけで、知っている論点が出題されれば、覚えた知識をつないで、文章にすると・・・あら不思議!!
結構、形になるはずです。
●【ポイント】
記述式対策 ~民法編~
- 条文をおさえる
- 論点をおさえる
- 条文の趣旨をおさえる
- 定義・意義をおさえる
- 具体例を図で
- 正確に!
行政書士試験記述対策 ~行政法をはたきおとす~
行政法も、民法とほぼ同じですが、基本的な知識からの出題が多いのが特徴です。
もちろん、民法と異なるポイントはあります。
それは、判例の重要性が格段に増すという点です。
民法とは比較にならないほど大切で、判例を勉強していなければ行政法では半分も得点できません。(民法ではそんな事はありえません。)
加えて、手続き的な点や組織の構造(体系)も重視されるので、手続きの順序や行政組織の構造も正確に暗記する必要があります。
もっとも、そう身構える必要はありません。
行政法に関しては、短答・多岐選択式と、出題の数も多く、皆さん力を入れて勉強しなければならない科目ですので、体系・手続き・判例は、自然と身に付いていきます。(当然、十分な勉強が必要です。)
敢えて言うならば、判例の言い回しと定義は意識して覚えるようにしなければ書けるようになりませんから、ここはしっかり覚える努力が必要だと思います。
ある程度択一式の勉強が進めば『記述の問題を読めば何を聞いてるかだいたい分かる』という状態に至るはずです。
もちろん、記述の場合『なんとなく分かる』では回答できませんから、ここからはより知識の正確性を高めていく努力を続けるようにします。
◆定義を正確に記述できるか?
◆条文は正確に引用できるか?
こういわれると、相当記述対策をされている方以外は、なかなか書けないはずです。
でも、この基本的なところが記述できなければ、記述式では点数を稼ぐことができません。
判例のフレーズにも同じようなことが言えます。
行政法の記述対策としては、普段の問題演習の中で、定義・判例のフレーズを意識しておさえるようにしましょう。
範囲が膨大と思われるかもしれませんが、書けるレベルまで精度を高め勉強しなければならないところは、代表的な論点だけで十分ですから、思うほど範囲は広くありませんからご心配なく。
行政法の判例の言い回しと定義は民法よりも難解ですから、早いうちから意識的に覚える努力が必要です。
◆行政書士試験 記述対策 ~練習の鬼になる~
これまでのところに注意してじっくり取り組めば、記述式の問題をみてビビることは少なくなります。
大抵、『あぁあれか・・』と思うことが多くなるでしょう。
ですが、このレベルで8割といったところです。
ここから点を稼ぐコツを体得しなければなりません。
これは模試や予想模試でやることになると思います。
模試は、記述対策には最も効果的な方法ですので、勉強も中盤に差しかかるころには、1度は受験しましょう。
本試験さながら現場で考え、まとめ、フレーズをひねり出す努力をしなければ、記述は書けるようになりません。
『難しい』そう思われるかもしれませんが、行政書士試験の記述問題は、『論文』ではありませんから、日頃から少だけ意識して勉強していれば、比較的早く、安定して点が取れるようになります。
択一式等の問題演習を通して、しっかりポイントを押さえていれば、あとは何度か模試で解く機会が得るだけで、意外にも書けるようになります。
尚、勉強も中盤に差し掛かった頃に1度模試を受けるべきと述べましたが、これは自分が記述式でどの程度、客観的に得点できるか?実力を把握する意味もあります。
普段の勉強では主に自己採点になると思いますから、正確な実力を把握するには、模試意外方法がありません。
できれば、このあたりで1度実力を把握します。
ここで、例えば、択一は点数が取れているのに記述は点数がついてこないということになると、知識はあるもののアウトプットができる程には知識が定着していないということになります。
このような場合は、最悪、記述式対策専門の薄い問題集を一冊こなすことをオススメします。
先の記述では、各形式に特化した対策はオススメしないと書いていますが、模試で記述だけが点数が悪いというときは、この形式が苦手科目である可能性もありますから、特別な対策も必要となるでしょう。
全体的な点数の底上げをする場合、苦手科目の克服が最も短期的に点数を伸ばせる対策ですから、ここを集中的に鍛えるのは戦略的にかなり有効です。
●【ポイント】
記述式の問題を解く時には問題分をよく読み分析し、死ぬほど頭を使って考えること!!
記述式の対策として、普段のコツコツと積み立てる勉強が大変重要であることは言うまでもありません。
これに加えて、記述式の問題を解く時に、心がけていただくと非常に効果的な心得があります。
それは・・・。
『問題をよく読み・分析し・死ぬほど考えて知識を搾り出し組立文章を実際に書くこと』
これは本当に大切です。
『いきなり書けるわけない』
そう思われるかもしれませんが、択一の問題集をといてしっかり勉強している場合、完全に解答はできないまでも、ある程度は書くことができます。
文章にできなければ、主つく知識を羅列してみて、それをどう文章にすればよいかただ考えるだけでも良いです。
一番ダメなのが、記述式問題集をただ単に暗記すること。
これをやると、本試験では記述式はえらいことになる可能性があります。
1回目は難しいかもしれませんが、2回目以降はある程度しっかり考えて徳用にしましょう。
これによって本試験の記述式に対峙する力が飛躍的に向上します。
1度騙されたと思って試してみて下さい。