【Q&A】行政書士を目指しています。この資格で生活できるでしょうか?
【質問】
現在、行政書士資格を取るために勉強しています!
ところで、少し心配なのですが・・・。
行政書士資格で開業するとして、生活できるのでしょうか?
【回答】
以前、『収入ってどれくらい?』といった質問が有り、これに回答しましたが、今回はド直球にこの質問に回答してみようと思います。
生活できるのでしょうか?
食っていけるのでしょうか?
もう、こんな質問は腐る程見かけます。
特に、ヤ○ー知○袋等を拝見していると、なんというかアンチとまで言えるような回答も見かけ、少し笑ってしまうこともあります。
こういった質問をされる場合、不安であろうことは推測します。
しかし、少し筋が違うのではないか?と思うのです。
食べる為を考えるなら、素直にアルバイトをしましょう。
素直に就職しましょう。
公務員がおすすめです。
行政書士を初め、司法書士も弁護士も士業は事業です。
一般的な商売と違うのは、在庫リスク等がなく、知識を売る点。
そして、事業の利点は、自分の力を活かして、好きな仕事・多様な仕事に挑戦できる点です。
先行投資額は一般の商売と比較して非常に低いですが、収益が上がるかどうかは商売同様わかりません。
だからこそ、開業するときは、このリスクを極限までそぎ落とす事に尽力するのです。
よく、いきなり仕事をやめ、実務経験ない状態で、見切り発車で行政書士として開業される方がいらっしゃいます。
普通はこの場合廃業一直線です。
これは行政書士だからではなく、どんな独立職でも同じです。
いきなり、仕事やめてラーメン屋始めても上手くいかないでしょう?
十分な収益を得ておられる先生方は、大抵、無駄なリスクを減らし、しっかりと事業計画(戦略)を構築した上で開業されています。
食っていけますか?という心境はわからなくもありません。
でも、資格が食わしてくれると本気で思えるでしょうか?
資格は単なる資格です。
生かすも殺すもあなた次第。
黙って食わしてくれる資格などありません。
例えば、ラーメン屋を開業したい方がいたとします。
この方が、質問で『ラーメン屋を開業したいのですが食っていけるでしょうか?』と質問していたとしたら、どう思われるでしょうか?
もうコントでしょう。
行政書士もこれと同じです。
簡単に儲かる仕事なんて世の中にはありません。
しかし、十分な計画と戦略をもって、じっくり腰を据えて攻撃を続ければ落ない城などないのです。
何事も、戦略と継続が重要です。
◆食えるか食えないかより、戦略とやりがいと目標が大切
行政書士で何千万も収入がある方は、必ず上記の項目が3拍子揃っています。
食えるか食えないか考えて、資格を取るならば、公務員が最強です。
でも、行政書士の資格を取りたいという人は、皆、自分の実力で世の中を良くしたいと思っている人や、法律が好きでこれを社会で活かしたいと考えている人が多いのも事実です。
であれば、資格を取得するなら、何らか前向きな目標をもって、取得される方がより建設的ではないでしょうか。
『何をとぼけたことを、食えなきゃやってらんね』
と言われるかもしれません。
ごもっともです。
本当におっしゃるとおりだと思います。
ただ、残念ながら、こう言う方には行政書士をはじめ士業は向いていません。
また、世の中にあるどの事業・自由業も向いていません。
素直に別の道を検討されるのが時間の節約になります。
事業を開始する場合、成功の絶対条件は、社会への価値の提供ですから、自分一辺倒では絶対に収益をあげる事ができない仕組みになっています。
自分が食うことも大切でここは外せない箇所なのにもかかわらず、他人の幸せも考えなければならない。
普通に考えれば矛盾だらけで混乱するばかりです。
当然、人間綺麗事ではやっていけまえんから、そりゃ自分のことを考えなきゃやってられません。
これはその通りですし、批判はしておりませんし、僕も大きく同意している事です。
でも、士業・事業に携わる人で、十分な収益のある人は、その仕事に社会的な価値の提供が必ず含まれています。
また、世の中のために!と本気で考え行動している人が非常に多いのも事実です。
その業界で長く生き残っている人ほど、この傾向が強いのを切実に感じます。
この2つの価値観のすり合わせには悩みどころです。
難しい問題ですが、資格を取得してから独立するまでの間、十分にこの点について悩む必要があります。
どんな仕事も尊いですし、素晴らしい仕事です。
しかし、食えるか食えないかばかり考えている人には士業は向いていないのは事実です。
時には、ギャンブルのようなリスクを取らなければなりませんし、時には自己投資を惜しまずしなければならないこともあります。
そして、社会への価値の提供を本気で心から考えなくてはならない。
本当に面倒に思う人には面倒なのです。
でも、楽しいのは確かです。
こういった世界に飛び込むにはリスクが大きいですが、このリスクを減らして、効果を最大化する事は十分可能です。
ここを研究するのです。
行政書士事務所や総合事務所に就職してみる方法。
これができなければ、副業で開業する。
様々な方法が考えられます。
だた、一つの事実は、資格を取っただけで食わしてくれる資格などないということです。
これをどう解釈するかは、ご自身の自由です。
どのような決断もそれは貴重な決断だと思います。