今話題の『聞き流し』学習(勉強)は本当に効果があるのだろうか?

公開日: : 最終更新日:2014/06/13 勉強法一般 ,

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 資格試験の勉強

 受験勉強

 英語の勉強

 etc///

 勉強といえば、苦痛の伴うもの。

 だからこそ、睡眠学習と並んで、『聞き流し』学習という勉強法は非常に魅力的な勉強法の一つです。

 聞き流すだけで、効果があるとのことですから、家事をしている合間、運動している間、ご飯を食べている間等々・・・。

 いくらでも勉強時間を確保することができます。

 また、聞き流すだけでいいのですから、何よりも!何よりも!勉強が楽です。

 このような、便利で楽な勉強法である『聞き流し』学習・・・果たして効果はあるのでしょうか??

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『聞き流し』学習って?

 『聞き流し』学習とは、下記のようなものを指します。

●【聞き流し学習の具体例】

  • 聞いているだけで、英語が話せるようになる
  • 聞いているだけで、勉強したのと同様の知識が手に入る
  • 聞いているだけで、受験対策になる
  • 資格試験の講義などを流しっぱなしにして勉強する

 上記のような内容のものを指します。

 つまり、聞き流すだけで、何らかのスキルがつくとか、勉強しなくとも資格試験の勉強の代わりになるという類いのものです。

 世間では、聞き流しによる教材が溢れており、パッとした感じ非常に効果があるような印象があります。

 机に張り付いて、集中して勉強するのではないので非常に楽な勉強法であり、ただ単に、何らかの教材を常に聞き流すことによって自然にスキルが身につくという魔法のような内容。

 勉強に時間が取れない方や、忙しい方には救世主のような方法です。

○○ラーニングを1年と6ヶ月利用してみた!

 最近、よく見かける『聞き流し』学習で英語が話せるという内容のCM。

 人気のゴルファーなどを登場させ、英語⇒日本語の順番で流れるので、意味が分かるし、いつの間にか話せたとの感想。

 感想を話す人は、英語ペラペラ。

 あたかも、聞き流すことによって英語が話せるようになるのではないか?という効果を連想させます。

 このような英語の聞き流し。

 巷で流行っているのかは存じませんが、頻繁にCMが入っています。

 これ本当でしょうか?

 実は・・・。

 僕自身、この○○ラーニングを1年と6ヶ月利用し、本気で聞き流し学習に取り組んだ経験があります。

 適当に取り組んだのではなく、結構真剣に課題をこなし、毎日聞き流しをしていました。

 おそらく、聞き流しの時間を含めると、行政書士試験に合格した時よりも、学習時間そのものは多くなっているでしょう。

 その結果・・・現在僕は劇的に・・・。英語が・・・。

 話せるように・・・。

 なっていません(笑)

 今は、音声のみMP3ファイルにて保存しておりますが、もう聞く気が起こりません。

 僕の勉強の仕方が悪かったのかもしれませんが、この○○ラーニングによって英語の能力が向上するという話をしている方は、英語の実力が高い人程、ガクッと減る傾向にあります。

 英語の勉強関連の書籍をいくつか読んでいただければ明白ですが、英語のスペシャリストとよばれる方は決して近道(楽な方法)で実力がついたわけではないと耳を揃えておっしゃります。

 中には、明白に聞き流しを否定されている方も結構な割合でいらっしゃいます。

 個人的には、聞き流し学習で英語が話せるような事はまずありえないと考えております。

 あくまで僕の感想ですが、聞き流しをやるならば、一日30分しっかり机で勉強する方が圧倒的に実力がつくと考えております。

 聞き流し学習は果たして効果的か?

 まず、英語に関しては、効果がない。

 僕はそう考えています。

 代表的な聞き流し教材が有名な英語について、まず切り捨ててみました。

 では、法律資格の勉強、つまり法律の勉強に聞き流しを取り入れる場合は、英語と違って効果はあるのでしょうか?

法律資格の勉強に『聞き流し』を取り入れる具体的方法

 法律の勉強に聞き流しを取り入れる場合、下記のような方法があります。

●【法律の聞き流し学習⇒具体的方法】

  • 1)スクールの講座を聞き流す
  • 2)市販の条文朗読を聞き流す
  • 3)市販の定義集の朗読を聞き流す
  • 4)自分で録音したものを聞き流す

 主に1)~4)のような方法が代表的です。

 2)等は結構メジャーです。

 行政書士試験などの法律科目では条文の知識が極めて重要ですから、特に民法や行政法などの科目の場合、条文をただ単に素読することが非常に効果的です。

 これを受けて、条文の朗読を聞き流しすることを実行されている方も多いようです。

 例えば、民法などは下記のような教材が新しく発売されています。(参考までに)

 こういった音声教材は結構販売されています。

 ちなみに4)ですが、これは自分がどうしても覚えることができない知識を自分で録音し繰り返し聞くというものです。

条文を覚えるための、『聞き流し』の有効性

 では聞き流し学習は、法律の勉強においては、効果的(有効)なのでしょうか?

 英語の教材については、個人的に効果はないとの考えをもっていますが、法律については、使い方を誤らなければ、効果がないとは言い切れません。

 ただ、この効果(有効性)は、あくまで1)記憶を維持するためや、2)記憶を定着させるために限定されます。

 法律の勉強で重要な思考力を磨くためには、しっかりと机に向かって勉強に取り組む必要があります。

 (もちろん、集中して勉強するという意味で、ベットの上でも集中し思考できる環境下で勉強すれば、机にかじりつく必要はありません。)

 英語を話すというスキルは、法律の思考力を磨くということに似ているため、音声の聞き流しだけでは効果がなかったのでしょう。

 では、どのように取り組めば、聞き流しの効果が得られるのでしょうか?

法律の勉強での正しい聞き流し学習の活用法

 下記、僕自身が試した中で、聞き流しの効果があると実感したものを書いてみます。

●【法律の聞き流し勉強で効果のあったもの】

  • 1)条文の朗読の聞き流し
  • 2)ピンポイントの分野に絞ってスクールの講義を繰り返し聞く
  • 3)集中して聞く(聞き流しとは言えませんが・・。)

この1)~3)のみです。

 3)目はもはや『聞き流し』とは言えませんから、参考までに。

1)条文の朗読の聞き流し

 基本的に、条文の朗読を聞き流す場合は、勉強したところを思い出す目的で朗読を聞くことをおすすめします。

 思考力を磨こうとすることや、新しく知識を覚えようとして聞くことは、絶対にオススメしません。

 こんな勉強をするならば、思い切って遊ぶ方が、リフレッシュでき気分転換となるためモチベーションを回復する意味でもよほど効果的です。

 勉強したところを思い出したり、忘れていないか確認するために、余分な時間を使って条文を聞き流しに取り組むようにしましょう。

 記憶の糸口を探る聞き流し学習は、記憶の定着を促進し、勉強した知識を維持するうえで非常に効果的だと思います。

●【聞き流しのコツ】

 条文を聞き流す時は、『勉強したところ』にすることが鉄則です。

 まだ勉強していないところを、聞き流しで習得することは難しいので、必ず勉強済みの分野に絞りましょう。

 最近では、CDも録音し編集することができますから、自分が学びたい条文だけ取り出し繰り返し聞き、『あぁこの条文にはこんな解釈論があったな~』なんて記憶の定着と喚起に利用してみましょう。

 例えば、朗読で、『民法177条・・・不動産に関する物件の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。♫♪♫』と朗読されれば・・・

 『対抗ってなんだったけ?』
 『第三者の定義はなんだったけ?』

 等々、記憶を思い出す作業をしてみましょう。

 このような朗読の聞き方、聞き流し学習は極めて効果的です。

2)ピンポイントの分野に絞ってスクールの講義を繰り返し聞く

 これも、ほぼ条文の朗読と学習の方法は同じです。

 つまり、1)既に学習済みの分野を効く、2)記憶の定着・喚起に利用するが原則です。

 特に加えて、ポイントを挙げるならば、できれば、自分がとっつきにくく何度勉強しても難しいと感じてしまう分野の解説をした講義を繰り返し繰り返し聞き流す。

 このようにすると、より効果的です。

 聞き流す学習をする場合、約8割以上は聞いておらず、頭に入っておりません。

 ですので、繰り返し同じ内容の講義を聞くことによって、ちょっとずつ自分の苦手な知識に慣れていくのが一番近道です。

 僕の場合は、聞き流し学習をスクールの講義でやる場合、3日程は同じ講義を繰り返し繰り返し流す感じで取り組んでいます。

聞き流し学習の注意点

 これまで書いてきたように、法律の勉強に聞き流し学習を取り入れる場合、1)記憶の定着として、2)記憶の喚起のため、と2つの注意点を書いてきました。

 これ以上の、思考力を磨くだとか、新しい知識を習得する目的で利用すると痛い目にあいますから注意しましょう。

 既に書いたように、聞き流し学習は、ほぼ8割は記憶に残りませんし、そもそも音声自体聞いていません。

 別の作業をしている時は、ほぼ音は耳に入っていないと考えて間違いありません。

 ですから、正しい聞き流し学習を行えば一定の勉強効果は得られますが、あくまで補助的なものと肝に銘じておきましょう。

 このような聞き流し学習が功を奏するのは、しっかり勉強していることが前提です。

 しっかりした勉強をしていない場合、まず時間の無駄と考えて間違いありませんので、ちゃんと勉強の時間だけは確保するようにしましょう。

 勘違いしがちですが、ここは十分に注意する必要のあるポイントです。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?
 
 巷であふれる『楽な勉強法』・・一見非常に魅力的で、効果のありそうな宣伝がされています。

 しかし、『楽』な方法で一流になった人は、ただ運が良かっただけですし、長続きしません。

 一から階段を上り詰める人の中で、楽な方法で一流に至った人は、いないでしょう。

 英語の勉強にしても、TOIEC満点をとった人の勉強を拝見すると、血のにじむような勉強をされています。

 何も勉強せずして、聞き流すだけで勉強の効果が出ることはまずありえません。

 時間を無駄にする前に、スッパリ幻想とは決別し、自己管理に基づいた勉強をすることをおすすめします。

 時間の関係で、どうしても利用される場合は、あくまで補助的にを心がけ、聞き流し学習だけで効果は出ないことを十分に理解しましょう。

 以上、聞き流し学習についてでした。

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長年結果が出ない・・・。スクール利用でスっと合格できる人は多いです。

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最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

学鬼
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