行政書士:勉強量を知る!合格のため目指すべき『知識の熟練度』とは?
どのような資格試験でも、合格の最低ラインというものは存在します。
行政書士試験も同じです。
この最低ラインをクリアするため、どのくらい深く法律の知識をものにする必要があるのでしょうか?
勉強方法については、1冊の参考書・問題集を繰り返すことがよいよと下記の記事で紹介させていただきました。
でも、これは勉強の『やり方』について書いたつもりで、今回の記事のメインテーマである、勉強した後の知識の熟練度とは話が違います。
もしよろしければ、下記の記事をお読みいただけると幸いです。
↓ ↓ ↓
勉強は参考書の反復が重要⇒飽きずに繰り返すため意識すべき2つの視点
この記事の内容を実践していただけることを前提としてですが、この場合、少しだけ取り組む姿勢に注意が必要です。
勉強をしていく上で、どのようなポイントを意識すると効果的なのか?
こちらの記事では、合格レベルと言える知識の熟練度について書いていきましょう。
INDEX
合格最低ラインというのはどのような資格試験にも存在する
行政書士資格試験は、合格の最低ボーダーラインが設定されています。
例年少し変動はあるものの、ほぼ同じ点数が設定され、この点数を超えることができれば、合格できます。
つまり、ボーダーラインを超えさへすれば、合格できる試験なのです。
そのため、行政書士資格試験は、問題は難しいものの、資格試験の難易度は中堅もしくは易しい方と言われる事が多いのです。
その大きな理由が、合格ラインが設定され、これを超えれば合格できる試験で、いわゆる競争試験ではないからです。
競争試験とは、受験生が上位から並べられ上から順に合格者を決定するような試験です。
これと比較し。
大抵、難関と言われる資格試験は、競争試験になっています。
つまり、いくら前年度の合格最低ラインを超えていたとしても、その年の受験生のレベルによっては、合格できないこともあり得る試験ということ。
そのため、受験生同士で苛烈な競争が繰り広げられます。
合格しようと思えば、他の受験生よりより勉強をし、一歩でも先を歩く必要があるのです。
このような合格条件が課せられるとグッと資格試験の難易度は高まる傾向にあります。
司法書士試験や税理士試験そして司法試験が難関と言われる理由は、このような競争試験である事が大きく関係します。
もちろん、難関資格試験でも、実際は、例年の合格最低ラインというのはほとんど変わりません。
この最低ラインに達しさへすれば合格はできるようですね。
違いは、難関資格試験では受験生が競争するため必然的に受験生のレベルが高くなる傾向に有り、問題が非常に難しくなりがちであるということ。
中堅資格とでは、この受験生のレベルの違い、問題の難易度の違いはあるでしょうが、中堅資格も難関資格も、実のところ最低限獲得しなければならない合格最低点があるという点は同じです。
中堅資格の場合、競争⇒問題難化という過程がないですから、ある程度勉強すればほぼ確実に合格できる資格であることははっきりしている事実だと思います。
行政書士試験の勉強でも、この最低ラインを突破することが日々の勉強の最終的な課題となります。
では、ただがむしゃらに勉強すれば最低ラインを超えていけるのでしょうか?
がむしゃらに勉強する事と基本を意識して勉強すること
中堅資格である行政書士資格レベルであれば、がむしゃらにガンガンやれば時間をかければ必ず合格できるレベルであると言えます。
ただ、『がむしゃらの勉強』は継続できませんし、ある程度戦略をもって取り組み、余った時間を作ることの方が人生有意義です。
当たって砕けろ戦法で勝てる人というのはかなり希な存在ではないでしょうか。(勉強が唯一の楽しみであるとか)
普通、勉強というのは苦しいもので、この苦しさはモチベーションを低下させる原因となります。
変かもしれませんが、勉強はいかに楽をするかがキモです。
これは、精神的な問題ですが、実際の実力向上という視点でもがむしゃらの勉強は避けるべきです。
がむしゃらというのは戦略を立てず力押しで片っ端から勉強していく方法です。
これでは、必要のない点に関しても勉強してしまう事になります。
戦略がないので、おそらく試験に出ないところも勉強することになる確率も高くなるでしょう。
特に独学の場合、どこが重要かわからないというか・・・実感できないことが多いため、試験に出ないところを頑張って勉強してしまう危険を否定できません。
これでは、意味のない努力をしてしまうことになってしまいます。
こんな無駄な努力をしないためにも注意する必要があります。
手を広げすぎず、『でるとこだけ』に知識を絞りこんで、勉強する事が重要です。
この重要性については他の記事でも書いてきていますが、『どるとこだけ』の知識、すなわちそれこそ『基本』なのです。
何が基本か?
それについてはよろ詳しく下記の記事でまとめてありますので、是非ご覧いただければ幸いです。
法律の基本はこの10項目だ!合格に必要な知識を選別するテクニック
基本に絞ることによって、よりダイレクトに資格試験の得点力に結びつきます。
つまり、基本さえ正確に勉強できており、練度が高められていれば合格最低点を取ることは容易ということです。
がむしゃらに勉強する場合と比較して、勉強の労力を分散させず集中させることができるため、より効果的なかたちで実力を高めることができます。
ビジネスでも、選択と集中は成功の秘訣とされていますが、資格試験の勉強でも同じ。
忙しい方であればあるほど、この点を意識して取り組むことが、時間の節約になります。
では、合格ラインを超えていくことのできる知識の熟練度とはどの程度なのでしょうか?
目安を書いてみました。
合格最低点を安定的に超えていく・・・基本知識の熟練度
基本が大切であることは分かりました。
合格最低点を超えるためには、基本さへしっかり勉強していれば簡単にこのレベルを超えていきます。
そして、何が基本であるかは別の記事で詳細に記述させていただいておりますから、こちらを参考にしていただけると幸いです。
ではこの基本は、どのレベルまで熟練度を上げていく必要があるのでしょうか?
参考までに、熟練度レベルを下記のように設定してみました。
この知識の熟練度のレベルですがLv.1は全く勉強が進んでいない状況ですので説明は必要ないと思いますので省きましょう。
Lv.2から説明していきたいと思います。
●【ポイント】熟練度レベルについて
Lv.2について『うろ覚えレベル』
このレベルは、参考書や問題集を1から2回程回したあたりの知識の熟練度のイメージです。
テキスト等を読めば、『あぁあの事か』と記憶の喚起ができますが、何も見ない状態では知識を呼び起こすことができません。
この段階では、問題を解いても芳しくなく、まだまだ合格レベルではありません。
さらに覚えると理解するの作業を繰り返し熟練度を高めていきましょう。
Lv.3について『慣れましたレベル』
このレベルでは、テキスト等見ないである程度知識を使えるようになってきます。
少し時間をかければ、ある程度正確に思い出すことができ、他人に説明することもできます。
また、問題も択一式や穴埋め式等、理解した知識を利用・加工して思考を展開する必要のない問題に関しては、ある程度確実に得点できる状態です。
ただ、知識を別の角度から問うと詰まるような場合も多く、知識自体も完全に正確というほどではありません。
記述式(論文式)などではぼろが出て安定的に得点できませんし、書けないことも多いです。
Lv.4について『マスターレベル』
最高レベルの知識の熟練度です。
それこそ、その知識を常識レベルに高めており、自由に使えます。
この段階では、その知識をベースに応用もできますし、角度を変えて問われてもほぼ回答できます。
他人への説明も問題なく出来るレベルですし、より完結かつ短い言葉で説明できるようになります。
知識はかなり正確で、定義などもポイントおさえ問題なく言える状況です。
実際の模試などでも、このレベルの知識に関する問題はほぼ確実に解答でき、記述式でも合格に十分な得点を獲得できます。
このレベルの熟練度が必要な知識は、過去問などで繰り返し出ている基本知識や何度も何度も見聞きする論点や、その科目の顔ともいえる論点や判例等です。
それらの知識は、このレベルに至る必要がありますが、行政書士試験でこのレベルまで高めるべき知識の数は多くありません。
行政書士試験で必要な知識の熟練度は?
行政書士試験では、大抵、Lv3まで知識の熟練度を高めれば、問題の大半は攻略できると思います。
行政書士資格を始め、選択式の試験では、このレベルの知識があると応用問題を除けば、ほぼ得点できるでしょう。
ただ、記述式はそういうわけにはいきません。
行政書士試験では記述式の出題があります。
ここで高得点を取ろうと考えた場合、もしくは合格レベル以上の得点を獲得しようと考えている場合には、最高レベルのLv.4の知識が必要です。
専門家の資格というのは、専門家が使う常識を自由自在に使えるようになるためのハードルです。
それこそ、何度も過去問に出題されている基本等は、高い熟練度が必要でしょう。
知識の熟練度が高い知識を、日々の勉強の中でいかに増やしていくのか?
これこそ、日々の勉強で心がけるべき重要な心がけです。
Lv.2の知識をいくら増やしても、意味がありません。
それよりも、何度も何度も同じ知識を繰り返し勉強し、LV.3・Lv.4の知識を増やしていくことが合格レベルに達するための近道です。
地道に繰り返し継続し、知識の練度と正確性をいかに高められるかが勝負です。
『もう覚えたかな?』から『何でも聞いて』レベルまで、あと一歩を詰めることが、多くの使えない知識を広く覚えるより効果的です。
あと一歩、あと少しが大切です。
大変でしょうが、諦めず頑張りましょう。