行政書士試験の法律科目は『順序』を意識して勉強すれば楽に攻略できるという話。

公開日: : 最終更新日:2014/08/06 法律系科目対策, 行政書士資格 , ,

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《じっくり読んだときの読了時間》: 755

329

 資格試験の勉強を開始したそこのあなた!! 
 
 『とりあえず憲法から』というように、勉強べき法律科目の順番を、適当に決めていませんか?

 もしくは、参考書の一番最初に掲載されている科目だからという理由で、その科目から勉強を始めていたりはしないでしょうか?

 とにかく、勉強すべき科目の順序を気にせず、前から前からという順番で勉強しておられる方は意外に多いです。

 でも、実は、行政書士試験を初め法律資格で要求される法律科目は、法律相互間にも、基礎⇒応用!?といった順序のようなものが存在します。

 一概に、基礎⇒応用!?の関係とは言えませんが、A⇒Bと勉強をした場合、勉強が楽になるということは少なくありません。

 この記事では、そのあたりを書いていこうと思います。

2014年 6月27日 更新しました!!
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『六法』をおさらいしてみよう

法改正と影響の話

六法って何???

 法律科目といえば、一般に法学部では六法を中心に学びます。

 この六法が法律を学ぶ祭、最も基本です。

 行政書士試験との関係では、これに行政法を加え、刑事系の法律科目を除く形で、試験科目になっています。
 
 では六法とは何を指すのでしょうか?
 
 おさらいしてみましょう。

法律で『六法』ってなんじゃそりゃ?

  • 憲法
  • 民法
  • 刑法
  • 刑事訴訟法
  • 民事訴訟法
  • 商法

 この6つがいわゆる六法です。

 超難関資格の司法試験なんかは、これに行政法を含めて全て勉強しなければなりません。

 行政書士試験の場合は、六法の内、刑法と訴訟法は全く出題されず、憲法・民法・商法(会社法)・行政法が法律科目になっています。
 
 刑法・訴訟法は行政書士の業務に関係ないからですから出題されません。

 (ただ、行政法には一部民事訴訟法で勉強する知識が必要ですので、全く訴訟法が関係ないかと言われると、そうではありませんが・・・。)

 この行政法を+αした基本の六法+行政法が全ての法律の基礎となります。

六法の内の一つ一つの法律が膨大な範囲をもっているんだ!!

 6つの法律をまとめて六法と言いました。
 
 そして、六法を構成する一つ一つの法律は、たった一つの法律科目であっても、勉強しようと思えば一生追求し続けられるくらい膨大な範囲があります。
 
 一科目だけでも、マスターするのに何年もの時間がかかる分量があります。

 それが7つも!!
 
 (行政書士試験では、4つも!!)

 細かい知識まで拾っていけば、膨大な範囲です。
 
 それはもうとんでもない範囲になってしまいます。

 だからこそ、行政書士試験においては、法律科目の細かい知識ばかり勉強しないことがポイントとなります。
 
 より基本的で基礎的なところを集中的に勉強することが合格の秘訣。

 ここは、このブログでも強調しているところです。

範囲が多いが、『かぶる』ところもあるんだ!!

 では、この法律科目についてどの順番で学ぶのがベストなのでしょうか?

 実は、六法+行政法にはそれぞれ法律の特徴があり、考え方が本当に似ているものがあるのです。
 
 つまり、各法律で学んだことが、他の法律の勉強で応用でき、考え方が『かぶる』部分がいくつもあるのです。
 
 この『かぶる』部分を優先的に学べる法律を先にマスターすることで、その後の勉強が異常なまでに楽になります。

 行政書士試験の場合は、憲法・民法・商法(会社法)・行政法が特に重要な法律科目です。
 
 そして、この法律科目にも、勉強する『順番』を意識すると、効率的にマスターできる順序というものが存在します。

 それでは、この科目をどのような順番で学ぶと一番効率的なのでしょうか?

法律科目を効率的に学ぶゴールデンオーダー!!

お問合せ

行政書士試験の法律科目のおさらい

 行政書士試験で課される法律科目は、下記の通りです。

●【ポイント】

  • 憲法
  • 民法
  • 商法
  • 行政法
  • その他、行政系の特別法

行政書士試験の法律科目で一番初めに勉強すべき科目はコレだ!!

多くの人は、『行政法』から始めるが・・・。

 行政書士試験で課される法律科目の中では、特に、民法と行政法が重要です。
 
 そして、行政書士試験の出題される分量(ウエイト)でいうと、行政法が最も出題される頻度が多いです。
 
 行政書士試験には、いくつか問題の形式があるのですが、その全ての形式で出題可能性があるのは行政法のみです。
 
 これは、過去問を見れば一発でわかることなので、この科目から勉強を始める人が多い傾向にあります。

そりゃそうだが、行政法から学ぶのは非効率だ!!

 試験の出題分量から考えると、『行政法』に飛びつきたくなるのはすごく分かります。
 
 でも、効率が良いのは、やはり『民法』を最優先に勉強することです。
 

 もちろん、行政書士試験で重要だからという理由もありますが・・。
 
 一番初めに勉強すべき科目としたのは、民法という法律が、『全ての法律科目の基礎』だからという部分が大きいからです。
 
 つまり、民法には、憲法や行政法・商法(会社法)のエッセンスが凝縮されているのです。
 
 この法律をマスターして、その知識や考え方をベースに他の法律を勉強すれば、非常に効率的に他法律科目を攻略することができるのです。

民法が他の法律の基礎になると言える例

『利益衡量』という思考パターン(法的思考)

 
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 特に、民法で多用される利益衡量という考え方は、憲法でも行政法でも多用します。

 利益衡量は、2つ対立する利益があるとして、どちらを優先することが妥当なのでしょうか?という思考パターンをいいます。
 
 上の図のように2つの利益が衝突する場合に、妥当な結論を模索していきます。

 各科目、全く同じ考え方をとるわけではないですが、2つの利益の対立をうまく調整するという考え方の基本は、民法で最も深く勉強します。

 民法をマスターしたあとで、憲法に取り組むと、『民法とよく似た考え方だな~』と応用できる部分が非常に多いです。

 また、行政法の国家賠償法の分野は、もうモロに民法と同じ考え方になりますので、これを応用すればあっという間に習得ができます。

 商法は民法の特別法ですから、考え方の基本的な部分は民法を修正する形で考えていけば楽です。

原則修正パターンこそ全ての法的思考の基礎

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 民法では、『利益衡量』の他にも、『原則・修正パターン』という法律の考え方を勉強します。
 
 この考え方は、いわゆる法的思考の最も基礎的な思考パターンで、民法で最も深く勉強する考え方です。
 
 これは、下記の図のような『法的三段論法』の応用で、全ての法律の難しい考え方のベースになるものです。
 
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 民法では、法律の考え方の、最も基礎的な思考方法を学ぶことができ、ここをガッチリやっていると、他の法律でも『あぁ民法で勉強したあのパターンだな』ガンガン応用できます。
 
 一般に、法的思考力というものは、上記の2パターンの思考を指すことがほとんどで、全て民法の勉強でマスターできます。
 
 行政法の重要性は高いですが、しっかりとした基礎を築くためには民法をしっかりやることが本当に本当に大切です。

 民法は法律の基礎となりますので、多くの法律資格で試験科目として挙げられているほどです。

 以上から、第一番目に学ぶのは民法です。

《おまけ》民法が得意な人は法律資格で有利!!

 将来的なことを考えて、使える法律を身につけるという意味ではやはで民法は非常に重要な科目です。

 さらに、『つぶしのきかす』つまり、行政書士資格が取れたら、その次に、他の法律資格を取得したいと考えている方にも、民法は重要な科目と言えます。

 民法さへ勉強していれば、宅建を追加で取得したい時にも楽ですし、公務員試験でも最重要科目ですから、やはり得意だと有利です。

2番目に勉強すべき法律科目はコレだ!!

『とうとう行政法の時代が来た!!』とは言わせない。

 では、民法をあるていどマスターした後、どの科目を勉強すれば良いのでしょうか?

 一般に行政書士試験では、行政法が一番重視される傾向にありますし、皆さん行政法から始める方も多いという話は既に書いた通りです。
 
 『とうとう行政法の時代がやってきたかッ!!!』
 
 と思われる方も多いかもしれませんが、ここは肩をスカします(笑)

 個人的に、次に勉強すべきは『憲法』だと断言できます。

なぜ『行政法』が2番じゃないのだ!に答えよう。

 これは、行政法の特徴が関係します。
 
 行政法という科目は、他の法律の寄せ集めです。
 
 つまり、他の法律で勉強した部分を、行政法でフルに応用すると、スピーディーに行政法をマスターできるのです。
 
 特に、民法と憲法はかぶる部分が多く、この2科目を勉強したあと、勉強すると、『これは民法で勉強したぞ!』『これは憲法と同じだな!』という部分が頻発します。

 そのため、憲法や民法を先に勉強する方が流れよく効率的に勉強が進むのです。

行政法を深く理解するには、憲法の知識が不可欠

 憲法の知識がなければ、行政法で取り上げられている判例が、本質的に何を言っているのか理解できない場合が多くあります。
 
 また、行政法でも判例は死ぬほど重要ですが、憲法でも判例は死ぬほど重要です。
 
 そして、憲法を勉強しマスターすると、判例学習の基礎が身に付きます。
 
 憲法を勉強し、基礎的な判例の読み方を身につけてから行政法を勉強する方が、効率的な勉強ができるのです。

 そのため、個人的には行政法より憲法を先に学習し、その延長で行政法に取り組むのがベストだと思います。

 以上から、2番目に勉強する科目は憲法がおすすめです。

3番目に学ぶべき法律科目

 
 これは、行政法で間違いありません。

 ざっと、憲法を勉強した後、これの延長として行政法を勉強します。

 行政法は、暗記する事が多いですが、基本的な法律論は、民法や憲法に通じるところがあります。
 
 『民法・憲法のあの所のあの考えと同じだな~』といった感じで勉強することになります。

 行政法は、筆記の問題が毎年出されていますから、勉強の時には定義もしっかり覚えていく必要があります。
 
 暗記に時間を取られる科目でもありますので、頑張って覚えていきます。

 行政法は、民法と憲法をしっかりやっていれば、比較的楽にマスターできます。

 科目自体も、一見難しいですが、慣れれば非常に簡単な科目です。

最後はもちろん!商法(会社法)とその他行政系の特別法だ!

 商法(会社法)は、行政書士試験においては上記3法に比べるとそう、出題ウエイトは大きくありません。

 民法で出てきた知識があれば、いわゆる法律論で真新しい点はほとんど出くわしません。

 商法(会社法)は、行政書士試験では、暗記中心で対応できる科目です。

 また、その他行政系特別法、つまり個人情報保護法・情報公開法なども暗記中心になります。
 
 条文を中心にガンガン覚えれば十分に対応ができる科目です。

 難しい法律論は全く出てこず、条文中心の知識が問われる傾向にありますから、ある程度出題されるものの、勉強すべき順序は最後にしました。

まとめ

 上記に書いた順番が、行政書士試験における法律科目を一番効率的に学ぶことのできる順です。

 僕自身は、ガッツリ六法+行政法を学んだ経験がありますし、これまで、勉強した感覚から、考えて、これで間違いないと思っています。
 
 実際、この順番で勉強していただくと、『かぶり』を実感していただけると思います。

●【ポイント】

  • まず民法ガッツリを学ぶ
  •  ↓ ↓ ↓

  • 次に憲法をざっと学ぶ
  •  ↓ ↓ ↓

  • 行政法をガッツリ学ぶ
  •  ↓ ↓ ↓

  • 商法の知識をつける(基本はしっかり)
  •  ↓ ↓ ↓

  • その他一般知識や基礎法学で出てくる行政系特別法は、模試・予想問題で出てきた範囲で条文をチェック

 これが理想の流れです。

 民法は本当に全ての法律の基礎となる考え方の詰まった科目です。

 司法試験などの業界では『民法を征する者は、司法試験を征する』とまで言われるそうです。

 また、公務員試験においても、民法は最重要科目。
 これをマスターしていた場合、かなり有利です。

 行政書士試験においても、民法は本当に重要です。

 これから、行政書士試験の勉強を開始される方は、スケジュールの参考にしていただけると幸いです。

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長年結果が出ない・・・。スクール利用でスっと合格できる人は多いです。

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最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

学鬼
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