行政書士試験の難易度⇒合格率7%!!(倍率10~20倍)の真実

公開日: : 最終更新日:2014/06/13 行政書士資格 ,

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 行政書士試験に関しては・・・。

 『難しい』

 『いや簡単だ』

 おっしゃる方によって180度違うような意見が述べられているのをよく見かけます。

 このブログでも、何度か、行政書士試験の難易度及びなんか傾向に関して取り上げましたが、先日、今年の行政書士試験も終了したことですから、改めて、もっと掘り下げた形で、検証してみたいと思います。

 『行政書士試験って難しいって言うけれど・・自分でも取得できるかなぁ?』

 そんな疑問をもった方に役立てればと記述しました。

 

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行政書士試験は過去と比べて難しくなっていることは真実である

 近年、司法制度改革のあたりから、それに引きずられて、行政書士試験が難しくなったと言われ始めました。

 僕は最近のように覚えていますが、このように言われ始めてもう随分経ちますね。

 ここの辺は、人により感じ方が違いますから、主観的に『難しい』or『簡単』を考えても意味がありませんので、ごく客観的に、問題の質から判断することとしましょう。

 まず、手始めに、最近の過去問をご覧ください。

 ↓↓↓

 『一般財団法人行政書士試験研究センターへ』

 こちらのできるだけ新しい過去問をいただければ最新の状況をご覧いただけるかと思います。

 注目するポイントは、下記のような点です。
 

 

●【注目するポイント】

 

     

  • 問題及び選択肢の長さ
  •  

  • 問題のボリューム
  •  

  • 事例が多用されているか?
  •  

  • 読解力は必要か?(一般的な読解力でなく法律事案の読解力)
  •  

 

 上記のような点です。

 問題を解かなくても大丈夫です。

 単に、印象を見ていただきたいのです。

 特に、民法などでは登場人物が多い事案の記述があるような問題があると思いますが、このような問題は難易度が高い傾向にあります。

 法律の典型事例が頭に入っていなければ、解きづらい問題ということになりますから、基本・基礎がしっかりできていないと得点できない問題といえますので。

 いかがでしょうか?

 問題の文章が恐ろしく長く難解ということはないでしょうが、ある程度、判例の知識も要求されていますし、長めの文章がずらずらと続いています。

 これに記述と穴埋めが形式としてありますから、あまり法律を勉強したことのない方であれば、『結構難しいかな?』という印象はもたれた方が多いのではないでしょうか?

 その印象で大きな間違いはありません。
 

◇確かに問題自体は難しい

 確かに、その他難関資格と比較すれば、問われている内容は本当に基礎・基本のところばかりです。

 必死で法律を勉強したことのある人が見れば、合格が困難な程レベルが高い問題ではありません。

 ですが、法律を勉強したことのない方が、この難易度の問題を難なく解けるレベルに至るには、相当程度の勉強が必要です。

 法律は基本・基礎の部分を固めるだけでも、面食らってしまう程、範囲が広いですから。

 また、この問題、実は過去の問題と比較すると圧倒的に難しいです。

 今ではもうないかもしれませんが、僕は試験勉強をしている時期、過去問は重要と考えていましたので、過去20年分をっさかのぼって解いた経験があります。

 その時の印象として、過去の問題は『とんでもなく簡単』という印象でした。

 上記のリンク先の過去問をご覧いただけた方はわかると思いますが、現在の本試験問題は、選択肢が5つほどあって、各選択肢の文章の長さは、2行から3行となっており、1問全体の行数は、10行~15行程にもなります。

 対して、昔の問題は、大体選択肢が5つあって、各選択肢の行は1行程でした。

 簡単なものだと、単語のような短い文章で完結している問題もあり、平易な問題が多くを占めていました。

 僕は、これで『結構簡単じゃん』とたかをくくって、試験直前に泣く羽目になったのですが、それほど昔の過去問と今の問題とは異なります。

 大昔の過去問が平易すぎたせいで、試験1週間前は死に物狂いにならざるを得ませんでしたから。

 上記のデータからすると単純に、現在の問題の文章量が3倍強以上になっているということですから、試験中に読解しなければならない文章が3倍になっているという事です。
 

◇知識ではなく読解力や思考力も求められている

 また、昔の問題は、事例形式はさほど多くなく、ストレートに知識を聞く出題が多くありました。

 対して、最近の出題は、民法は当然事案を読ませる選択肢が多数出題されていますし、憲法や行政法は判例の文章がストレートに出題されているものも見かけます。

 つまり、法律の事案分析力や、法律独特の話し言葉に慣れる必要があるということです。

 これにプラスアルファ、論理的な思考力が必要な問題も出題されていると評価できる問題もみられます。

 こういう、『能力』的な側面は、暗記したらどうこうなる問題ではありませんから、一朝一夕に身につきません。

 <>つまり、毎日コツコツと能力を磨いていく努力が必要だということです。

 一夜漬けではどうにもならない試験になっています・・ということは、やはり『時間がかかる試験』となったのでしょう。

 昔は、『行政書士試験に1ヶ月で受かった』といった超短期間の勉強もありえましたが、今の試験は、法律の素養のない方が1ヶ月で合格するのは、ちと厳しいと思います。

 知識がついたとしても、どうしても法律独特の思考力というのはそうやすやすと身につきませんから。
 

◇まとめ

 以上から、やはり、試験自体が昔と比べて、かなり難しくなっており、合格するための能力を身につけるためには、一定以上の時間をかけてコツコツと取り組む必要性がある試験であることから、そう言う意味では、『難しい試験』になったのだと思います。

 蛇足ですが、一定以上コツコツと時間をかけて継続しなければならないというだけで、明らかに難易度は跳ね上がりますので。

 続けるということは、それほどまでに難しいことですから。

 ここまでは、最近の行政書士試験が難しくなったというのは真実であるという話です。
 

【競争試験】と【そうではない試験】

 ここまでで『昔よりはだいぶ難しくなった』という印象をもっていただけたなら、この記事の前半は成功といえます。

 ポイントは、<>昔よりというところです。

 というのも、行政書士試験で昔と全く変わっていない点もあるからです。

 確かに、近年の問題内容をみれば、期間をとってコツコツと勉強しなければ歯が立たない難しさになったと言えます。

 一夜漬けではどうにもあなりません。

 しかし、行政書士試験は、<>昔と全く変わらず競争試験ではないという特徴のままです。

 ここは昔とは全く変わっていないのです。
 

◇競争試験というもの

 では、競争試験とはどういった内容の試験なのでしょうか?

 競争試験とは、あらかじめ、合格できる受験生の定員が決められていて、受験生同士で蹴落とし合いをしなければならない試験のことをいいます。

 つまり、本試験でより多く得点を獲得し、受験生同士での戦いに勝たねば合格できない試験だということです。

 このような競争試験では、毎年受験生のレベルによって合格最低点というのは上下し一定ではありません。

 そのため、いくら自分が頑張ろうと、その年の受験生のレベルが高ければ合格できない可能性が十分にありえる厳しい試験です。

 代表的なのは、大学入試ですね。

 大学入試も、一定の定員が決まっていて、その席を受験生が奪い合います。

 このような競争試験は、<>一般に受験生のレベルが高くなる傾向にありますし、難関試験と言われる試験は、これが条件というかのように、ほとんど競争試験の形式になっています。

 資格試験の中でも特に難関と言われる<>司法試験・簿記1級・公認会計士・司法書士・税理士・国家公務員一種これらの試験は全て競争試験です。

 合格するには、受験生どうしでしのぎを削らなければなりません。

 さらに、上記の試験は、年一回にみしか受験できません。

 地方公務員試験が難関として挙がらない理由は、自治体等を変えれば年に何度も受験できるからかもしれないですね。

 このように、競争試験は、レベルが格段に違う難易度になっています。

 自分との戦いである事は当然であり、それに加えて、ライバルとも戦う必要が出てきます。
 

◇それに対して、競争でない試験は?

 これに対して、<>競争試験ではない試験は、問題自体は難しい場合であっても、受験生同士でしのぎを削る必要はありません。

 合格のためには、ある定められた『基準点』を超える得点を本試験で獲得できれば、いくら基準点を超える人がたくさんいようとも、基本的には合格ができる試験となります。

 一定の基準点さえ獲得できれば皆合格できますから、比較的平易な試験と言えます。

 僕自身、上記で挙げた競争試験に並ぶものの勉強をしていますが、正直に言うと、競争試験でないというだけで圧倒的に簡単であると思います。

 ある一定の基準点が取れるよう、地道に基礎事項を覚えることができれば、それだけで十分合格できます。

 行政書士試験も冒頭で申し上げた通り、<>『競争試験ではない試験』ですから、昔と比較し問題は難しくはなったものの、やはり法律資格の中では平易な部類に入る試験であると言えます。
 

 

●【ポイント】

 <>競争試験と競争試験ではない試験では、レベルの格差はかなりある

 

 

行政書士試験の合格率7%前後のからくり

 行政書士試験は競争試験ではない試験です。

 したがって、他と競争をする必要がないという点では、比較的簡単な試験となります。

 では、合格率はなぜこんなにも低いのでしょうか?
 

 

●【合格率について】

 <>◇最近10年間における行政書士試験結果の推移

 上記の数字を倍率で表現すれば、例年、10~20倍もの難関を誇っているという事になります。

 これが例えば競争試験での数字であれば、かなり難しい試験です。

 ですが、行政書士試験は競争試験ではありませんから、単純に『基準点を超えることができない受験生が10人に1人以上いた』ということです。

 つまり、競争して蹴落とし合いをして、最後に残った勝利者の7%ではなく、単に基準点を超えることができた7%というにすぎません。

 7%に入った人は、皆コツコツと得点できるよう継続して努力をしたという事です。
 

◇問題の難易度もこんなに違う

 競争試験は『受験生を落とす試験』ですから必然的に問題自体も尋常ではない難易度になります。

 奇問・難問という問題も拾えれば有利になりますから、基本も平面的に学ぶのではなくどっぷりと考え深く深く・確実に勉強していく必要があります。

 問題に適切に解答するには、修練を積むがごとき、思考力と知識を磨き上げて勝負しなければなりません。

 これに対して、競争試験ではない試験は<>『受験生をひろう試験』ですから、問題の難易度も本当に基本の基本がしっかりできていれば、解答できる問題ばかりです。(もちろんこの法律基本を身につけるのが結構大変だったりしますが・・・。)

 じっくり考えたり、非常に高度な思考力がなければ、解けないようなひねるのある問題というのは<>捨てるべき問題に分類され、解ける必要もありません。

 上記の勉強の質の違いを分かりやすく例えれば、<>競争試験は『寿司職人の修行』で、<>競争試験ではない試験は『料理教室でのスキルアップ』という違いがあります。

 一方は、ある技術を極限まで追求し、もう一方は、基本的な料理スキルの体得を主目的としています。
 

◇結局7%のからくり

 この7%前後という合格率は、これまでのことを合わせて考えたとき、毎日コツコツと勉強を継続し、知識を蓄え法的思考力を磨くことがでれば、パッと超えられるレベルに過ぎないということです。

 コツコツと基本を積み上げていき、継続できれば、誰でも合格でき、超えていける難易度です。

 まぁ、逆に言うと、毎日、継続的に勉強出来る人は、それだけ少ないということなのでしょう。

 それほど、『継続』は難しく、特に社会人の方などは、特にここに注意をしなければならないと思います。

 僕も、継続できず本当にきつい時期がありましたので、継続できないことは決して無能ではないと断言できます。

 これは、継続できるように意識して矯正していき、できるようになれば<>立派な『スキル』になるのだと考えています。

 行政書士試験は、数字だけ見れば非常に難しい試験のような印象を持ってしまいますが、じっくり分析し他の資格試験と比較して分析していくと、決して難しい試験ではありません。(法律自体は難しいですが・・・。)

 つまるところ、しっかり継続し、続けることができれば、合格できる試験であると言えますので、ここを意識して望めば、合格できないということはありえません。

 法律は難解ですから、挫折しやすい試験である事は確かではありますが、じっくり慣れていけばいいと考えています。
 

合格した僕の感想

 以上のように、行政書士試験というのは、数字の割にはそうべらぼうに難しい試験ではないというのが結論です。

 データーや問題・試験形式から分析した場合、こういった結論にならざるを得ません。

 ここで、僕自身の、試験を受験して合格した経験から感想を書いてみようと思います。

 ここからは客観的ではなく僕の主観的な印象からの話題ですから、参考程度に。
 

◇行政書士試験の受験生の印象

 まず、行政書士試験の受験生の印象ですが、若い方~社会人まで色々な方がいらっしゃいました。

 学生さんの割合が多かったように思います。(僕もほぼ学生という年齢でしたので同じくらいの年齢の人が受けてるなーという感じでしたが、少し年上の人をみて、『おぉ大人』なんて思っていたのを覚えています)

 近年では、司法試験や司法書士試験・税理士試験を受験されている方が、ダブルライセンスで取得したり、力試しで取得したりする場合も増えて来ているようです。

 司法試験は、合格すれば法律系の資格のほとんどを試験を受けずに取得できますから、この試験の受験生は力試しで受験しているのでしょう。

 他はダブルライセンスで仕事の幅を広げようという方なのでしょう。
 

◇本試験の印象は?

 本試験を実際受けてみた感想ですが、僕の受験した年は個人的には、簡単な年だったのではないか?と考えています。

 かなり時間はあまりましたし、記述も満点近く得点できていましたし、本試験の本番でも早々と退出される方は結構いらっしゃいましたので。

 実際、僕の合格した年は、7~9%程の合格率だったと思いますので、平易な年だったのでしょう。

 得点から、どの年も合格できるほど点数は取れていましたが、ラッキーだったのだと思います。

 蛇足ですが、僕の合格証書は、民主党が政権を有していた時代の合格でしたので、その頃、大臣だった原口さんと、大阪府長だった橋本さんの名前が記載されている合格証書です。

 手元に届いて、『おぉ有名人!!』と少し笑ってしまったのを覚えています。
 

◇問題自体はある程度の難しさがある

 これまで、客観的に試験形式や試験の性質(競争試験でないこと)等により、行政書士試験はコツコツ勉強して知識を積み上げ、法的思考力を磨けば、そう高度なスキルが要求される試験ではないという論調で書いてきました。

 従って、法律資格の中では比較的平易な中堅資格である点もご理解いただけたと思います。

 しかし、問題自体は、冒頭でも述べた通り、あまり法律を勉強したことのない人にとっては、ある程度の手ごわさがあると思います。

 これは、上位試験の勉強をしている今でも、そう思います。

 法律は慣れるまで時間がかかりますから、行政書士試験の問題で安定的に基準点を超えていくまでになるためには、コツコツ毎日しっかり勉強しなければなりませんから、決して楽勝の試験ではないというのが僕の個人的な意見です。
 

◇目安の勉強時間は?

 これはほんと僕の個人的な意見で、個人差ある話ですが、『安定的に基準点を超えていく力がつく』には、だいたい半年は時間が必要です。

 一日3時間勉強するとしても、結構きついと思います。

 特に行政法と民法と憲法は、慣れるまでに時間がかなりかかりますから、ここを固めるだけでも相当の時間がかかります。

 個人的には、確実に合格するのを目指すなら、1000時間ほどを目安と考えています。

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長年結果が出ない・・・。スクール利用でスっと合格できる人は多いです。

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最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

学鬼
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