行政書士試験に一発合格したい方限定!過去問11年の傾向と対策の全て
行政書士試験に一発合格する人の多くが、過去の本試験問題の出題傾向を分析しています。
でも、自分一人で分析するのは少し面倒。
そこで、ここでは、11年分の過去の本試験の傾向を分析した結果を掲載しました。
その上で、分析内容を紹介し、それに対する対策を考えてみました。
行政書士試験に一発合格したい人だけ、読んで欲しい記事です。
INDEX
- 1 傾向分析をする意味
- 2 実際に行政書士試験の傾向を見ていきましょう
- 2.1 取り敢えず11年分の傾向を読んでみましょう♪
- 2.2 1)平成13年度行政書士試験の傾向について
- 2.3 2)平成14年度行政書士試験の傾向について
- 2.4 3)平成15年度行政書士試験の傾向について
- 2.5 4)平成16年度行政書士試験の傾向について
- 2.6 5)平成17年度行政書士試験の傾向について
- 2.7 6)平成18年度行政書士試験の傾向について
- 2.8 7)平成19年度行政書士試験の傾向について
- 2.9 8)平成20年度行政書士試験の傾向について
- 2.10 9)平成21年度行政書士試験の傾向について
- 2.11 10)平成22年度行政書士試験の傾向について
- 2.12 11)平成23年度行政書士試験の傾向について
- 3 行政書士試験を10年分読んでみて
- 4 行政書士試験において、難化傾向にあるにもかかわらず合格率が変わらない不思議
- 5 11年分の行政書士試験の傾向を分析を基に対策を考える
- 6 まとめ
傾向分析をする意味
行政書士試験に一発合格するためにも、今までの本試験の変遷をざっと見ておくことは、効果的な対策を立てる上で、有益です。
現在、行政書士試験は難化傾向にあると言われています。
僕の個人的な感想としては、やはり法律系科目の難易度は10年程前に比べるとかなり難しくなったな~との印象です。
昔は、法律の『知識』があれば、解答できる問題が大半を占めていましたが、今では、知識を使って法的思考をさせる問題も多くなってきている印象です。
このような、行政書士試験の本試験の出題傾向の変遷を知ることで、今後どのような出題になるのか予想ができます。
まさにこの傾向は、試験を出題している側が、今後行政書士となる者に『何を求めているのか?』に他なりません。
このような傾向を分析することによって、そのメッセージを、確実に一発で合格するための戦略を練るための情報源としましょう。
実際に行政書士試験の傾向を見ていきましょう
取り敢えず11年分の傾向を読んでみましょう♪
- 1)平成13年度行政書士試験の傾向について
- 2)平成14年度行政書士試験の傾向について
- 3)平成15年度行政書士試験の傾向について
- 4)平成16年度行政書士試験の傾向について
- 5)平成17年度行政書士試験の傾向について
- 6)平成18年度行政書士試験の傾向について
- 7)平成19年度行政書士試験の傾向について
- 8)平成20年度行政書士試験の傾向について
- 9)平成21年度行政書士試験の傾向について
- 10)平成22年度行政書士試験の傾向について
- 11)平成23年度行政書士試験の傾向について
1)平成13年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は、【10.96%】でした。
難問・奇問が数問出題された年でした。
この年、行政書士試験を受験された方は苦戦されたようです。
ただ、行政書士試験が難しくなっている傾向に合わて対策をしていれば十分合格できる問題だと思います。
最終的に合格率は10%を超えましたが、この合格率の高さは、問題に誤りがあったため、全員にその分の得点が与えられたことが影響している様です。
2)平成14年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は非常に高く【19.23%】でした。
法律問題・一般教養、どちらの分野も比較的簡単な問題が多かった年でした。
また、記述式も得点しやすい問題で、多くの方が記述で満点近く得点できたようで、これが合格率を引き上げています。
さらに、この年も、問題に誤りがあったため全員にその分の得点が与えられましたので、これが合格率をさらに引き上げることになったようです。
この年は、多くの合格者を出した希な年でした。
3)平成15年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は大変低く【2.89%】でした。
全体として難しかった年でした。
法律問題は、かなり細かい問題も問われており、行政書士試験を受験された方の多くが解答に苦戦したようです。
中でも地方自治法が難しくなっていく傾向を見せています。
その他の科目でも、行政法などでは、突っ込んだ法令の理解が問われるなど、レベルの高い問題が目立っています。
一般教養も、やや細かい出題が目立ちました。
出題の各分野とも、より突っ込んだ専門的な内容を問われたようです。
4)平成16年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は、標準的な【5.33%】です。
法律問題は比較的簡単だったようです。
前年度難しかった地方自治法についてもやや難化傾向には止めがかかり、難化に傾いていた商法についても、標準的だったようです。
行政書士試験のの対策をしっかりしていれば、十分得点できた問題が多かったようです。
気になる点として、憲法に推論問題が見られました。
推論問題が問われたということは、応用力を問いたいということと考えられます。
また記述式も、十分な対策が必要な問題だったようで、難化傾向にあるようです。
さらに、この年より民法や商法の配点が高まりウエイトが高くなっている傾向にあるように思います。
一般教養についても、引き続き難しかったようで、こちらも苦戦された方が多かったようです。
この年は、法律問題が簡単で、一般教養が難しい年だったために、一般教養が原因で不合格になってしまう方が多かったようです。
5)平成17年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は【2.62%】で難しい年でした。
前年度が、一般教養が難しいために合格を逃す方が多かったので、この年は法律問題が難しくなることが予想されました。
予想通り法律問題では、平成18年度行政書士試験改革を控えて、これを視野に入れた出題もあったようです。
また記述式では難化が顕著となり、憲法の少し突っ込んだ「明白かつ現在の危険」が問われました。
この年は全体的に法律問題の難易度が高まった年でした。
対して一般教養は、前年に比べて平易な出題が多く得点しやすい問題が多かった年です。
法令の難易度がグッと上がり、合格率は2%台と落ち込みました。
行政書士の難化が目立った年だったと思います。
6)平成18年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は、厳し目の【4.79%】でした。
この年は、行政書士試験改革が行われた年でしたので、難易度が上がるのではないかと、注目された年でした。
ところが、蓋を開けてみると全体的な傾向としてはこれまでの傾向大差ないものとなりました。
ただ、憲法や情報公開法などでは、応用的な問題が出題され、今後、難化を示唆する出題もありました。
一般知識等では、個人情報保護関連の法令からの出題が多く見られたのが特徴的でした。
ともあれ、一般教養の常連である政治・経済の基礎問題や行政改革関連の問題も傾向変わらず出題された年でした。
7)平成19年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は少し高く【8.64%】でした。
法律問題の択一式については、標準的でそれほど難しいものではありませんでした。
目立ったのは、民法において学説問題が出題されました点で、行政書士試験ではこの時期では珍しい問題です。
法律問題の記述式については、民法で細かい出題が目立ちました。
この年の行政書士試験を受験された方の多くが苦戦したようです。
一般知識では、行政手続オンライン化法や公的個人認証法など、細かい特別法の出題が見られました。
ただ、これまで通りの傾向も引き継ぎ、政治・経済の基礎を問う問題や行政改革関連の問題も変わらず出題されていました。
この年は記述式が大変難しい年でしたが、他の分野は比較的得点しやすい問題でした。
そのため、合格率は高くなったようです。
8)平成20年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は、標準的で【6.47%】になりました。
法律問題の択一式については、現場で推論を求める問題が増加しました。
特に憲法や行政法などで増加が目立ちました。
また、憲法でより難しい『パターナリスティックな制約』が出題され少し難化傾向にあるようです。
さらに、地方自治法において『一日校長事件』などの判例が問われましたので、こちらについても難易度が上がったことをうかがわせる出題でした。
法律問題は、従来より難しい出題もみられましたので全体的に難化が進んだ年でした。
法律問題の記述式については、基本的な出題たったように思います。
一般知識は、これまでの傾向通りだったといえます。
政治・経済の基礎を問う問題と情報保護関連の問題が組み合わせて出題されたのが特徴的でした。
傾向としては、今後も電子政府・個人情報保護関連、政経・行政改革関連の知識の基礎を地道に勉強することが大切です。
9)平成21年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率はやや高く【9.05%】でした。
法律問題の択一式については、憲法・行政法・地方自治法といった公法系科目が全体的に簡単な問題が多かった年でした。
対して、民法・商法などの私法系科目の難易度が少し高いのが目立ちました。
法律問題の択一式全体としては、少し簡単な問題の多かった年だったと思います。
多肢選択式も2問は簡単な問題でしたが、残りの1問は、要件裁量・効果裁量・判断過程審査などの難しい分野からの出題があり難しかったようです。
法律問題の記述式については、信用保証に関する問題の難易度が高かったようですが、残りの問題は基本問題でした。
一般知識については、例年通りの出題傾向が続きました。
この年の問題は全体的には簡単な問題が多く、合格しやすい年でした。
10)平成22年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は、【6.60%】とやや厳しい年でした。
法律問題の択一式では、基礎法学・憲法・行政法の公法系科目の難化が目立ちました。
ただ、法律をしっかり勉強した方にとっては標準的な内容だったようです。
例年通り、民法の難易度が高い傾向にあった年でした。
基本的な内容が理解できていれば解ける問題だったものの、行政書士試験の対策では少し難しい内容で、法的思考力の要する問題が出題されました。
その他、商法等の私法系科目は例年通りの出題傾向でした。
法律問題の記述式については、一問難しい問題が出題されました。
上位資格の受験生であればできるレベルですが、行政書士試験だけの対策をされている受験生にとっては厳しい問題だったようです。
一般知識は内容ががらっと変わったようで、これまで例年通りの出題であった政治・経済の分野でこれまでになかったような出題がなされました。
この年は、一般知識の基礎点に到達できるかどうかがキモでした。
11)平成23年度行政書士試験の傾向について
この年の合格率は、【8.05%】とやや易しい年でした。
この年は、公法系科目の憲法・行政法からの出題が例年より簡単な出題が多く、ごくごく基本的菜問題の多い年でした。
憲法は、特徴的な問題も多く出題されたようですが、全体的には基本的で素直な問題の出題が多かったように思います。
私法系科目の民法・商法からの出題も基本的な良問が多く、しっかり勉強していれば、決して難しい問題ではなかったようです。
また、法律問題の記述式についても、全体的に基本的な問題の多かった年でした。
『即時強制』『代価弁済』『抵当権消滅請求』『表見代理』『使用者責任』とうの知識を問う問題が出題されました。
一般知識については、例年通り、特別法関連と文章理解と政治・経済をしっかり拾えば問題なく基準点に到達する内容でした。
行政書士試験を10年分読んでみて
いかがでしたでしょうか?
昔の行政書士試験と比べて、徐々に様変わりしている行政書士試験の姿が見えてくると思います。
取り敢えず11年分の傾向を見てみました。
これをみて気づくのは、徐々に法的な思考力が求められる問題が多くなっており、推論を問うような応用的な問題が増えている事です。
特に、民法の難化が顕著で、記述式などでは、基本的な知識を使って法律構成を考えさせる問題が増えています。
ちなみに法律構成とは、ザックリと説明するとある結論を導くために法律をつかって理論を組み立てることをいいます。
11年分の傾向は今後も続く可能性があり、今後合格率が高くなる傾向になれば、合格者を一定に保つためより難しい問題の出題がなされることが予想されます。
行政書士試験において、難化傾向にあるにもかかわらず合格率が変わらない不思議
この大きな原因は、司法試験受験生や法科大学院生が、行政書士試験を力試しとして受験しているためです。
行政書士試験の難易度は、いくら難しくなったとはいえ、司法試験などの上位資格試験から比べると遥かに簡単です。
司法試験の対策で、本格的に勉強した人であれば、まず行政書士試験に落ちることはありません。
近年、司法試験の対策スクールが、『取り敢えず行政書士試験で力試しをしよう』的なPRをしているため、平成18年度程から、司法試験受験生や司法書士受験生の受験が多くなっているようです。
これらの受験生の存在が、全体的な合格率を引き上げているのでしょう。
そのため、行政書士試験だけ対策をしている受験生からすると、行政書士試験の合格律は一定でも、実際の試験問題は難しくなっている可能性は否定できません。
11年分の行政書士試験の傾向を分析を基に対策を考える
11年の分析でみえてくる対策
- 1)法的思考力が求められることについて
- 2)法律の学説問題について
- 3)法律構成を考えさせられる問題について
- 4)一般知識対策について
1)法的思考力が求められることについて
法的思考力を身につけるのには、一朝一夕では足りません。
法的思考力の代表格が論理的思考力です。
日々、論理的な思考を磨く必要があります。
AならばBという思考を、心がけましょう。
2)法律の学説問題について
Vこの出題への対応は、日々の勉強で『もう少し突っ込んで』という姿勢で勉強することです。
通説的な見解を勉強すれば、その反対説がないかとざっと見てみる。
判例の見解を勉強すれば、その判例への批判はどのようなものか把握しておく。
この真摯な姿勢が、難しい問題への対応としては最も効果的です。
3)法律構成を考えさせられる問題について
特に記述式で求められる能力です。
これへの対策は、日々、法律論のプロセスをしっかり順序建てて勉強する癖をつけること。
まず、論点の問題の所在は何か?条文がないから問題なのか?それとも条文の文言が不明確だから問題なのか?
次に、その解釈は何を根拠に行われているのか?
実際の運用を根拠に要件解釈をするのか?それとも、条文の趣旨を引いてきて、要件解釈をするのか?
さらに、解釈論で採用される結論はどのようなものか?
そこで定立された学説の要件(判例の要件)はどのようなものか?
そして、それを、実際の設問の事例に適用するとどのような結論となるのか?
このようなプロセスを常に念頭に置くことで、能力を磨くことができます。
4)一般知識対策について
11年分の行政書士試験の傾向を見てきて、一般知識の対策は大きく変更していないと考えることができます。
こちらについては、これまで通り、特別法への集中的な対策と、政治・経済の基礎的な知識、そして文章理解を落とさないという対策で十分対応できるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
行政書士試験の過去の本試験を分析すると様々な情報を得ることができます。
過去の出題は、試験委員が『こういう人ならば行政書士になって欲しい』というメッセージですから、しっかり分析することで、良質な情報を得ることができます。
行政書士試験に一発合格する人の多くは、こういう分析を当たり前にしていますから、是非、挑戦してみましょう。
僕も一発合格を運良く果たすことができましたが、その際にも分析をしっかりしたことを記憶しています。