行政書士試験に一発合格した人がやった過去問分析の極意14ヶ条!《行政書士試験の過去問は使えないか?》
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最終更新日:2014/08/02
Ⅲ:心構え, 一般教養科目対策と関連News, 法律系資格全般 行政書士, 過去問
行政書士試験まであと半年前後。
そろそろ、勉強を始めてらっしゃる方もいらっしゃると思います。
この勉強初期段階でやっておくべきことは、本試験の傾向分析です。
どのような出題形式なのか?
どのような問題なのか?
難易度は?
これらの情報は、『過去問』を分析することによって、簡単に把握することができます。
そんな行政書士試験の過去問ですが、『過去問は使えない』と言われていたりします。
情報通の方であれば、『知っているよ~』と言われそうですね。
ところでこの『過去問は使えなくなった』という噂は的を得ているのでしょうか?
実は、行政書士試験では、過去問をおろそかにすることは、まだまだ危険なのです。
行政書士試験に一発合格するためにも、過去問の分析は欠かせません。
INDEX
行政書士試験で『過去問は使えない』と言われる理由
巷では、行政書士試験の過去問は使えないと言われはじめて久しいです。
では、この『過去問は使えない』という噂はどこから出てきたのでしょうか?
これは、行政書士試験の内容が改革され、その難易度が飛躍的に変化したことが関わっています。
近年の大きな試験改革は、下の2回の改革が大きなものですので、念のため掲載しておきます。
平成12年度行政書士試験改革
- 比較的易しい問題で、過去問が繰り返し出題される傾向
- 択一式と時事問題などの論述式問題
- 行政書士の過去問の繰り返しだけでは対応が難しくなった。
- 基礎の理解から応用力の養成が必要となった。
- 択一式と法令の記述式
平成11年度行政書士試験以前
↓ ↓ ↓ ↓(変更)↓ ↓ ↓ ↓
平成12年度行政書士試験以降
平成18年度行政書士試験改革
- 行政書士の過去問の繰り返しだけでは対応が難しくなった。
- 基礎の理解から応用力の養成が必要となった。
- 択一式と法令の記述式
- 総務省が発表によると、行政書士試験の法令科目について、『理解力、思考力等の法律的素養』を重視するとされた
- 試験科目の変更、記述式が40字程度になり、また多肢選択式の採用など、形式面が大きく変更
- 平成12年度より徐々に試験の難易度が難化傾向
平成12年度行政書士試験以降
↓ ↓ ↓ ↓(変更)↓ ↓ ↓ ↓
平成18年度行政書士試験以降
このような2回の改革を経て、行政書士試験は難化していきました。
僕自身も、10年以上前までの過去問を解いたことがありますが、だいぶ前の過去問は、明らかに平易すぎて、現在の試験とはかけ離れた難易度でした。
この変化が、『過去問が使えない』と言われはじめた原因です。
過去の行政書士試験は、過去問を繰り返し解くだけで対策として十分でした。
つまり、過去問さへガッチリ解いて『暗記』していれば、ほぼ法令科目は問題なく対応できるということです。
法律科目のウエイトが低く、いわゆる法的思考力等は求められていませんでした。
法的思考力が求められていない場合と、求められている場合では、難易度に天と地ほども差があります。
法的思考力を磨くのは、しっかり勉強しなければ能力が高まりませんので、暗記では対処できないためです。
以上が『過去問が使えない』と言われる理由です。
行政書士試験の対策で過去問を解くのは無駄なのか?
それでは、過去問を解くのは、無駄なのでしょうか?
これは、正直嘘だと思います。
というのも・・。
先に書いた、平成12年度行政書士試験改革及び、平成18年度行政書士試験改革より、ずいぶん時間が経過しています。
この間、十分に使える過去問は蓄積していると言えるでしょう。
かえって、平成12年度以前の過去問や18年度以前の過去問を手に入れる方が難しいかもしれません。
であれば、『過去問は使えない』という話は、もう嘘になっていると判断して問題ないでしょう。
過去、行政書士試験の改革が有り、大きな変化があり一時は過去問が使えなくなったと言える時期があったとは言え、今では、再び過去問の重要度は高くなっていると判断して間違いないでしょう。
行政書士試験に一発合格するために過去問を効果的に活用しよう
過去問が使えないという噂は、今はもう過去の話です。
ですので、行政書士試験に確実に早く一発で合格するためには、過去問を分析することが何より重要です。
行政書士試験の過去問を効果的に活用しよう
- 1)分析ツールとして良質すぎる情報が得られる
- 2)分析は自分でやってみないと分からないこともある
- 3)択一式対策として徹底活用
- 4)多岐選択式対策として徹底活用
- 5)記述式対策として徹底活用
- 6)一般教養対策として徹底活用
- 7)各科目の正確なウエイトを肌で感じれる
- 8)時間配分をおおまかに把握できる
- 9)試験委員が本試験で何を求めているのかわかる
1)分析ツールとして良質すぎる情報が得られる
行政書士試験で過去実施された本試験の過去問は、今後自分がどのような能力をつけ、対策をどうすべきか?を見つけるためのヒントが詰まっている情報の宝庫です。
分析ツールとして、これほど正確で良質な情報源はありません。
行政書士試験に一発合格のためには、この情報を分析することが必要不可欠です。
2)分析は自分でやってみないと分からないこともある
スクールなどの講座を受講されている方であれば、『ここが重要』と講師が言っているのを聞いたことがあのではないでしょうか。
行政書士試験を突破するために、各種対策の情報についてよく聞くこともあります。
ただ、こういう情報は、聞くだけでは身につきません。
自分で分析して、『確かにそうだ』と理解することで、対応できるようになるものです。
このスキルは過去問を意識して解くことで身につくでしょう。
行政書士試験に一発合格する人は、体で大切なポイントをおさえています。
3)択一式対策として徹底活用
過去問を一度でいいので解いてみましょう。
どんな問題が出題されているか?択一式は、どこまで深い知識を求められているか?はっきりと理解できます。
過去問を一度解くだけで、択一式の出題形式に慣れる対策は十分です。
4)多岐選択式対策として徹底活用
これも過去問を解いてみましょう。
過去問を解くと分かるのですが、多岐選択式への出題科目は限られていることが一発で分析出来ると思います。
また、実は知識ばかりでなく、ある程度の論理力・推論力・読解力があれば、簡単に回答できる問題も出題されていることが把握できるでしょう。
一度過去問を解くだけで、この出題形式に慣れるための特別な練習は必要ないとわかるはずです。
5)記述式対策として徹底活用
記述対策ついて、こちらのブログでは、特別な対策はする必要がないよというスタンスです。
というのも、過去問に出題された記述問題を複数消化するだけで、かなりのレベルの対策を完成することができるからです。
あとは日々の勉強で記述を意識して勉強することができれば、本試験で0点なんてことは絶対にありません。
そう言う意味では、過去問を徹底的に活用することで、一番伸びるのは記述なのだろうと思います。
記述が苦手な方は、まず、過去問の記述問題をじっくり考えて解いてみましょう。
6)一般教養対策として徹底活用
一般教養への対策は非常に大変です。
毎年、一般教養に泣かされる方がいらっしゃるようで、僕もここの分野への対策には苦慮しました。
ただ、実は、過去問を数年分分析することによって、毎年共通する分野から、決まった数の出題があることが分かるのです。
僕が受験した時期は、個人情報保護法などの法令からの分野でした。
一般知識にも出題の傾向がありますから、行政書士試験の過去問からその傾向を分析し、該当分野を集中的に対策することで、一般知識は高い確率で乗り切ることができます。
効率的に行政書士試験に一発合格をするためにも、過去問の一般知識の出題を分析することは大切です。
7)各科目の正確なウエイトを肌で感じれる
各科目、どの程度のウエイトがかかっているのか、過去問から把握することができます。
数年分解けば、どの科目が難しく、どの科目が簡単かは、すぐに理解ができるでしょう。
試験勉強を始める前に、一度過去問を分析していれば、科目別で力の入れ方にメリハリをつけることができ、勉強を効率化できます。
8)時間配分をおおまかに把握できる
過去問を解けば、どの程度時間がかかるのかは一目瞭然です。
9)試験委員が本試験で何を求めているのかわかる
問題文の癖、問い方、出題の特徴、求められる知識レベル。
『過去問は試験委員からのメッセージ』という言葉があるように、問題を解けば、『行政書士になる人に求めるもの』というタイトルでメッセージが送られているということが理解出来ると思います。
行政書士試験の過去問を利用するときの注意
過去問利用の際の注意点
- 1)平成18年度 行政書士試験改革以前の過去問は使わない
- 2)過去問を漫然と解かない
- 3)過去問を丸暗記しない
- 4)『十分勉強してから解く』は厳禁
- 5)ちゃんと考えて過去問を解く
1)平成18年度 行政書士試験改革以前の過去問は使わない
当たり前ですが、改革以前の過去問は、出題形式が違います。
過去は、過去問の知識を繰り返し勉強すれば対応は可能だった本試験も、現在はちゃんとした思考と応用が求められる問題も出題される傾向にあります。
最近の傾向にしっかり沿った分析ができるよう、できるかぎり新しい過去から取り組みましょう。
2)過去問を漫然と解かない
解くときは、常に行政書士試験の出題のクセや特徴、難しさを念頭に解くのが効果的です。
ただ漫然と解くと、何も得られませんので、ここは注意しましょう。
3)過去問を丸暗記しない
過去問で出題された知識は、繰り返し出題されることもあることは確かです。
でも、問題が全く同じであるということはほぼありません。
たまに、過去問の問題ごと丸暗記をして本試験に挑戦される方がいらっしゃいますが、これで本試験を突破するのは相当難しいと思います。
4)『十分勉強してから解く』は厳禁
過去問を解くというと、必ず『まだ勉強が十分でないから解けないし、もっと勉強が進んでから取り組もう』という方がいらっしゃいます。
でも、これではいつまでたっても、試験の特徴を把握することができません。
勉強をはじめてから間もない頃に解く過去問は、できなくて当然です。
そして、これでいいですし、解ける必要もありません。
ただ、行政書士試験の本試験の問題とはどのようなものか?これを肌身で感じるだけでいいのです。
行政書士試験の過去問を勉強を開始して間もない頃に分析するのとしないのとでは、後の勉強効率に雲泥の差が出てきます。
まずは気を張らずに、『どんな試験か知ってやろう』くらいの気持ちで取り組んでみましょう。
5)ちゃんと考えて過去問を解く
勉強を開始して初期の段階で、取り組む過去問は、単に行政書士試験がどのようなものかを知るために取り組むものです。
そして、ある程度勉強が進んだときにも過去問を解くことになります。
この場合、ちゃんと考えて解くということを意識しましょう。
『いやいや、考えないと解けねーだろ!!』とツッコまれそうですが、『考える』というのは、解く際にいちいち解答までのプロセスを確認するという事です。
意外にも、問題を解く際にプロセスをはっきりさせるという作業をしない方は多いのです。
知った知識⇒解答を直感的に行い、正当だった場合、これでよしとするのでは実力は向上しません。
グングン実力のつく解答プロセス
- 1)問題文を読む
- 2)どこの分野に関する問題かを思い出す
- 3)その分野のどの判例に関する問題か?もしくは条文のどの要件の問題か?を思い出す
- 4)判例に合致するかどうか?条文なら逐一要件の検討をする
- 5)必要なら法律の解釈論を思い出し、問題文にあてはめる
- 6)解答
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この作業をいちいちやりましょう。
行政書士試験に一発合格する人は、大抵このプロセスを意識しています。
本当に面倒ですが、これを繰り返すことで、どんな問題にも対処できる実力がつきます。
特に過去問は、良質な問題が多いので、このプロセスがはっきりしている問題もあり、練習素材としては最高です。
まとめ
いかがでしたか?
行政書士試験は、過去の改革で出題形式がかなり変更したため、『過去問の意義』に疑いがでるような時期もありました。
現在では、そのような噂もあまり聞かなくなりました。
今では、行政書士試験に合格するためには、過去問を分析するのがおすすめです。
忙しい人ほど、遠回りなようですが、過去問を分析する作業をしましょう。
より早く効率的に対策ができると思います。