資格試験で学んだ知識をクレーム対応に活用:法律を使ってお客様と対話
本日は、『クレーム対応と法律』をテーマに書いてみようと思います。
最近・・・。
モンスターペアレンツ久しく、モンスタークレーマーなる存在が流行って?います。
僕自身、確かにここ数年本当にそういった方が多い事を実感しています。
本日はそんなクレーマーに、是非、資格試験の勉強で学んだ知識を活かしましょうという話です。
INDEX
どういった人がクレーマーか?
ではクレーマーとは?
僕は、仕事がら日々多くのお客様に接する環境にあります。
お客様をこちらが評価するようで誠に恐縮なのですが、印象としては下記の通り。
●【ポイント】お客様もいろいろいらっしゃいます
1、30%前後の方はこちらが恐縮してしまうほど丁寧な対応を頂けます。
2、残り69%の方は、良くも悪くも『ぶっきらぼう』。
ただ万一のことがあっても、ご自身の非であればご納得頂けます。
すなわち、理屈の通じる方です。
ドライな方なのでしょう。
これは一般的。
3、問題は最後の1%の方・・・この方達は、ご自身に非があろうとも、『気に入らない事』があれば理由抜きにまくしたて、怒りにまかせ言葉を使います。
従いまして、合理的な話し合いができません。
明白ですが、一般にクレーマーといわれる方は上記3に分類される方であると思います。
私自身もそのように解釈しております。
この分類ではどこまでの方のご意見を参考にするか?これは賛否両論あろうかと思いますので省きます。
さて、こういった方々より無理な要望やご意見を頂いた場合、どこまで対応すべきでしょうか?
この判断をする上で最低限度の基準になり得るのが法律です。
もちろん、社内や部署でクレーム対応を行う場合、原則的なマニュアル等あるかと思います。
しかし、無理な要望は千差万別でありマニュアルでは対応しきれないことも出てくるはず。
形式的なマニュアルでは判断できないシーンは日常茶飯事です。
(まぁ通常この様な場合、上司に判断を求める場合が通常でしょうが・・・それは置いといて。自分が独立したらという観点で読んでいただけるとわかりやすいでしょう)
そこで、最低限、『こちらに責任があるのか否か?』これを判断した上で対応できれば、対応に余裕が持てます。
その基準となるもっとも基本的な知識が法律知識となります。
具体的にどのように知識をつかうか?
具体的にまとめますと。
●【ポイント】
- 1)対応に『安定感』が出る
- 2)責任の所在がある程度、合理的に予測できる
- 3)合理的な落としどころを大まかに特定できる
- 4)そもそもクレーム自体を予防できる
1)について
対応の『安定感』が得られます。
クレームへの対応は、客観的には両者の対立の側面がり、対応している側も人です。
感情的になりそうにもなりますし、怒りにまかせ主張をしてくる方の話を聞けば『自分の「常識」が間違っているのかな・・・』と心折れそうになるのが普通です。
この際、クレーム対応で最も役に立つ民法の知識があれば、自身の対応に社会的な根拠をもつことができますから、余裕をもち感情的にならず対応ができます。
2)について
上記と関連しますが、『責任の所在がある程度、合理的に予測できる』事です。
基本的には、お客様から言われたことは、改善する事が大切でしょうが、どこまで譲歩するか?
これを判断するボーダーラインを大まかでしょうが、自分で判断することができます。
一般的なクレーム対応でもっとも関係のある法律は民法になるかと思いますが、民法には本当にたくさんの紛争事例が出てきます。
弁護士に依頼しなければならない程複雑な案件であれば話は別ですが、『買った売った、気に入らない』といったやり取りであれば、ほとんど民法の初歩的な知識で判断が可能です。
この点、大まかにどちらが悪いのか?これの目星がついていれば対応にも余裕をもつことができます。
3)について
『落とし所』を判断できるようになる。
法的知識があれば、どのあたりで譲歩すべきか?これを設定できるようになります。
無理な要望・ご意見を頂戴した場合、社会的には、いったいどこまで応じるべきかある程度判断できるようになります。
例えば、お客様が商品を購入頂けた後日、お電話で『商品が気に入らないから返品する』と言われた場合。
このシーンでは、民法を根拠に考えた場合、『応じる義務』はありません。
これに応じるかは、お店側のサービスという事になります。
返品交換は自由。
これが原則であると勘違いしている方は本当に多いですので、このギャップを知るのと知らないのとでは明らかに対応と対応計画に差が生じますし、利益にも影響します。
4)について
クレームを事前に回避できる。
これは、クレームが発生してからの話題ではないので、ここでは詳しく書きませんが・・。(後日書いてみます)
つまりは、クレームが発生する事を未然に防止する手段として法律の知識が有効であるという事です。
特に、民法の契約の概念や、もっとも基本的な知識である私的自治の原則等知っているだけでも本当に『余計なトラブルを防止する』事が叶います。
以上のように、一見、法律は分かりにくく敬遠しがちです。
しかし、ここで学ぶ考え方は、洗練された考え方で、簡単に言えば、『相手の立場に立って物事を議論する』事を本質的に学べます。
一度基本原則だけでも、読んでみると面白いですので、是非、一読あれ。
行政書士や宅建の学習をなされた方は『あ!これ民法で勉強したな』なんてシーンは実社会で何度も出てきた経験をされる方が多いのではなかろうかと思います。