行政書士:判例の勉強は11の重要ポイントだけで楽に合格できるという話
行政書士試験まであと少しとなりましたね。
あと2ヶ月ほどだったでしょうか?
既に勉強を始めて数ヶ月という人も多いと思いますが、判例の勉強に苦しんでいる方も多いと思います。
そこで、この記事では、主に、行政書士試験における判例の勉強法に焦点を当てて書いていこうと思います。
ザッと読んで頂ければ、きっと『判例はこうやって勉強すればいいんだ!』といったイメージが持てるはずです。
それでは、早速!
行政書士試験の判例をやっつけるために!!これ知っとけぃ
行政書士試験の判例を攻略するために、まずは前提として知っとくべきことをおさらいしておきましょう。
既にご存知の方も多いかもしれませんが、ザッと。
行政書士試験で判例が重要な法律科目はどれ?
行政書士試験では、憲法・民法・行政法・商法(会社法)が法律科目として、課されています。
この法律科目の中で、判例が特に重要な科目が、憲法と行政法の公法系法律科目です。
どちらの科目も、相応に判例は難しく、勉強が大変です。
どのような判例が出題されるの?
行政書士試験の法律科目で、判例からの出題が多い科目は、憲法と行政法でした。
この憲法と行政法において出題される判例は、どのような判例がメインとして出題されるのでしょうか?
それは、『重要中の重要判例』です。
比較的細かい判例は、より難易度の高い試験ではかじっておく必要がありますが、行政書士試験では、勉強しなくてもあまり影響はありません。
誰でも知っているような重要判例をいかに深く正確に学べるかが一番のポイントです。
ところで、判例というのは非常に長文で有名ですが、重要判例についてはその全文を覚えなければならないのでしょうか?
判例は全文覚えなければないの?
行政書士試験は、法律資格の中では、難易度は中くらいに位置する資格試験です。
とはいえ、出題される判例を勉強するときには、判例の長ったらしい文章をガンガン読んでいく必要があります。
重要判例なら、何度も何度も、全文読み込むこともあります。
そして、読み込むのは、判例の判旨の部分になるのですが、この判旨は非常に長い文章であるのが特徴です。
『判旨』とは、判例の判断を論理的な文章で説得的論じた、判例の判断部分のことをいいます。
この判例の判旨は、最終的に全文覚えてしまわなければならないのでしょうか?
もしくは、どこを聞かれても、対応できるようにすみずみまで勉強する必要があるのでしょうか?
ズバリ申し上げれば、そんなにすみずみまで覚える必要はありません。
重要判例といえども、判例の判旨で出題される部分は、ほぼ決まっていると言って過言ではありません。
行政書士試験に出題される部分だけ、ピンポイントで勉強することになります。
判例の判旨は長文ですから、ともすれば、どこを勉強すればいいのか混乱してしまいますが、ポイントさへ押さえるコツをつかめば、英単語を一つ一つ暗記するのとそう違いはありません。
このポイントについては、引き続き書いてきましょう。
判例で覚えるべき『試験に出るところ』とは?
判例の判旨は長文で、文章のブロックになりますから、なかなかどこを覚えれば良いのか迷ってしまいます。
でも、下記のポイントさへ押さえれば、暗記が非常に楽になります。
まさに英単語を一つづつ覚える感覚に近い状態で勉強を進めることができますので是非知っておきましょう。
判例はどこが出題されるの?判例のポイント
- 1)判例の事案
- 2)基準
- 3)その射程範囲
- 4)判例の採用したとされる理論
- 5)問題となった条文
- 6)当てはめ部分
- 7)比較
- 8)その判例がした特殊な判断
- 9)結論
- 10)争われた訴訟類型
- 11)《番外》変遷
1)判例の事案
判例で問題となった、具体的事案です。
AさんとBさんが何らかの法的な争いがあったというような事案が書かれていますが、これが思いのほか重要だったりします。
判例の事案を知らなければ区別がつきにくい判例もありますし、どの事案だからこその結論と言えるような場合も少なくありません。
2)基準
判例が採用した判断基準です。
裁判所は、トラブルの解決を図るため、判決をする場合には一定の結論を示します。
その結論を下すための、基準がないと判断はできません。
判例の判旨では、この判例が採用した基準が書かれています。
ここが、試験に出題されるポイントの一つです。
3)その射程範囲
その判例は、どのような事案に適用されるのか?問題になった事案に限るのか?もっと広く別の事案でも適用できるのか?
こういう判例がある事案に適用されるかどうかの範囲の話を『判例の射程』といいます。
例えば、下記のような図を見てみましょう。
このように判例がどこまで適用されるのか?という話は結構重要です。
判例の射程外の話であるにもかかわらず、適用ありとしてしまうとブーです。
4)判例の採用したとされる理論
ここは主に、通説と同じか同じでないか?という話になります。
違う場合は、判例とどう違うか?そういうところがポイントとなります。
5)問題となった条文
判例で問題となった条文です。
どの条文が使われたか?どの条文のどの文言が問題になったのか?
こういうところが問われます。
6)当てはめ部分
先に判例の基準の話をしました。
この基準は判断のモノサシですから、具体的な事案に適用して、一定の結論を導きます。
この時に判例は『あーだこーだ』といろいろ理屈をつけて、基準を事案に当てはめていきます。
これを、法律の世界では『あてはめ』と表現し、いわゆる法律論とは区別されます。
これは法的三段論論法と言われる論じ方の特徴で、下記のようなイメージです。
上の図の、規範定立という部分が『基準』に当たります。
そして、その基準を使って、結論を導く過程が、当てはめと言われる部分です。
ここが意外に重要です。
7)比較
判例同士の比較です。
判例の微妙な違いが問われることがあります。
8)その判例がした特殊な判断
その判例独自の珍しい判断のことです。
その判例の判旨に、これまでの判例では見られない面白い表現があることがあります。
これは、問題集で間違えたり、教えてもらわないと分からないことなので、よく問われます。
9)結論
重要判例がどのような結論を採用したのか?は絶対に覚えます。
これ覚えていないと、話になりません。
10)争われた訴訟類型
その判例では、どういう訴訟が提起されたのか?という話です。
国家賠償法の請求なのか?行政事件訴訟法上の取消訴訟なのか?それとも、民衆訴訟なのか?不法行為に基づく民事上の請求訴訟なのか?
こういうところはたま~に問われます。
11)《番外》変遷
特に憲法で特徴的なのですが、その判例が発表された時代背景によって、判断が真逆になる時があります。
緩やかな判断なのか?厳しい判断なのか?
時代で判例を分類してみると、明らかだったりします。
たまにマイナーな判例がでてきても、こういう変遷を覚えていると、楽に溶けるときがあります。
判例で出題される部分で特に重要な部分ランキング
上記で列挙した事柄が、ザッと説明した感じなので、その重要度のランクはわかりにくくなっています。
ここでは、列挙した項目の中でも、特に重要なものをランキングしてみました!!
正直ここの5項目は、重要判例であれば、絶対に覚えておくべき重要事項です。
基準
1位はとにもかくにも基準です。
もうこれでもかってほど出題されます。
説明は不要なほど重要です。
この基準が重要であると知らない人は、モグリで決まりです。
当てはめ部分
上の図で詳しく書きましたが、重要部分である基準を使って、具体的に結論を導く過程も重要です。
判例がどのような評価をして、具体的な事案を料理しているのか?しっかり勉強する必要があります。
この当てはめ部分を勉強することによって、ちゃんとした法的思考というものを学べます。
結論
判例の結論は大切です。
判例がどのよな結論をとったかというのは、誰から見ても重要と分かる箇所ですので、特に注釈はいらないでしょう。
その判例がした特殊な判断
その判例特別の特殊な判断は死ぬほど重要です。
いわゆる珍しいポイントですね。
判例の採用したとされる理論
上でも書きましたが、この部分は特に通説と判断が分かれているところが特に重要になってきます。
通説との区別がちゃんとできているか?よく問われます。
まとめ
いかがでしたか?
判例の判旨は非常に長く、法律を勉強し始めた頃には『え!?これ全部覚えなきゃなんねーのッ!!???』と勉強が嫌になるくらいです。
僕も、法学部の学生の頃は、憲法の判例を読んで、死にそうになったのを覚えています。
でも、判例は長文であるものの、重要なポイントが必ず決まっています。
だからこそ、そのポイントをおさえた勉強をしていけば、さほど怖くありません。
たまに重要判例以外の細かい判例が出題され、これへの対策として手を広げる方もいらっしゃいますが、これは必要ありません。
とにかく、判例は、重要で基本的な判例のポイントを真っ先に勉強すべきです。
行政書士試験においての判例の勉強のポイントは、こんなところです。