『条文の素読で勉強している』人が陥りやすい12の失敗例と素読の効果を爆発させる7ヶ条
法律の勉強をしていると、たまに、『条文の素読(すどく)がいいよ』と言われることがあります。
そんな法律の条文を素読する勉強法。
果たして効果的なのでしょうか?
実は、条文の素読は『怖~い事態』に陥る可能性がある勉強法でした。
そんな、条文の素読みで注意すべき点と、素読みが最強の勉強法となる効果的な取り組み方について、まとめてみました。
INDEX
条文の『素読』ってなに?
法律の条文を『素読する』ってなに?
早速ですが、法律の条文の『素読』ってなんでしょうか?
行政書士試験などの、中堅資格では、あまり聞かない勉強方法かもしれません。
ただ、難関の法律資格試験になると、結構ポピュラーな勉強法のようです。
具体的には、六法などを使って、書かれているままの条文をそのまま読んでいく勉強法です。
第一条『~』第二条『~』と順番に、読書感覚で条文を読んでいきます。
これが、一般的な条文の素読と言われる勉強法です。
法律の条文『素読』の具体的方法一覧
法律の条文の『素読』というと、一般的には、六法を読書感覚で読み下していくのが一般的です。
他にも、下記のようなものも素読に含まれると思います。
六法を読む以外の条文『素読』
- 1)CDに収録された条文の音声教材で、条文を聞く
- 2)例えばタイピングの練習などで、条文を打ち込んで練習する類のゲーム教材
法律資格試験の対策のために条文を『素読』する勉強は効果的か?
法律資格試験の勉強!条文『素読』の効果
民法・憲法・行政法など、法律の条文を『素読』すると得られる効果
- 1)間違いのない知識を勉強できる
- 2)取りたい法律資格の試験が条文中心の出題が多いとき、効果的に知識を取得できる
- 3)条文の細かい知識がつくので、本試験で出題された細かい知識に対応できる場合がある
- 4)まとまった時間がなくても勉強ができる
- 5)条文を大切にする勉強ができる
- 6)自然と暗記でき、知識が増えていく
- 7)手軽に勉強を始めることができる
以上のような感じの効果があります。
基本的には、手軽に勉強に取り組むことができるので、いわゆる『勉強のストレス』というやつは、非常に低いのが特徴の勉強法です。
そのため、特に、机でガリガリと勉強するのが苦手な人には、密かな人気のある勉強法になっているようです。
ところで、法律の条文を『素読』することは勉強として効率的?効果的なの?
法律の条文素読は、一定の勉強効果があります。
また、何より、手軽に取り組むことができるので、勉強のストレスが低く、『今日はガッチリと勉強するのがしんどいな』というときなどには、一時避難策として、使える勉強法です。
でも、やり方を間違えると、『勉強していないのと同じ』になる恐れもある怖い勉強法です。
条文の素読が、効果的な勉強法か?と問われると確かに効果的な方法と答えるしかないのですが、それはあくまで『やる方を間違えなければ』という限定付きの話です。
法律の条文を『素読』するときの注意点
法律資格試験の勉強で、『民法・憲法・行政法など、各法律を第1条から順に読んでいくよ・・・』ってマジかッ!?
法律の条文を素読する勉強法は、一定の効果があるのは否定できませんが、それは、あくまでやり方を間違えなければ・・という話でした。
そのやり方を間違えている代表的な例が、ここの項目の例です。
つまり、『俺、条文素読してんだけど、昨日は1条~700条まで読んだぜ!!結構勉強したわ!!』
という場合。
これおそらく、ほぼ勉強になっていません。
たとえ、毎日同じことをやったとしても、たいして実力は向上しないと思います。
(僕も実際同じようにやって失敗したことがあるので、確かです。)
というのも、条文の素読は、あくまでサブの位置づけで勉強されるべきで、あまりに長い時間、素読をしても、情報が多すぎて、記憶に残らないからです。
100や200であれば、全部覚えることも問題ないかもしれませんが、条文はいくつかの法律を勉強する場合、数千条にもなることもあります。
これを読書のような感覚で、覚えていける人は、とんでもない天才です。
僕のような一般ピーポーには無理です。
このような、失敗例はいくつかありますので、ザッと下記にまとめておきました。
法律の条文を素読する場合の失敗例
- 1)第一条から順番に読んでいく
- 2)何も考えずに読んでしまう
- 3)勉強からの逃げになっている
- 4)全条文について重要度に差をつけず、同じ調子で読んでいる
- 5)基本が身についていないのに、いきなり条文の素読をやる
- 6)細かい条文(試験に出ない条文)まで真剣に読む
- 7)先に読み進めるのがノルマになっている
- 8)条文を一言一句覚えようとする
- 9)条文の素読に相性のよくない法律で素読をやっている
- 10)音声教材で条文を聞くことで勉強した気になっている
- 11)条文の素読が楽なのでメインの勉強になっていき、机でガッチリ勉強しなくなっている
- 12)条文を淡々と読み進める素読勉強に慣れてしまい、『考える勉強』をやめてしまっている
法律資格試験の勉強として『素読』をする場合、最も効果が高く効率的な『やり方』とは?
法律資格試験の勉強としての条文『素読』は、気軽に取り組める勉強です。
でも、前の項で書いたように『逃げ道』になりやすい勉強法であり、気をつけなければ、失敗してしまう可能性が大きな『恐ろしい』勉強法でもあります。
甘い甘い汁で、『怠け心』を育てる栄養素になる恐れもあります。
そこで、そのような『怖~い事態』を回避して、効果を最大化する『素読のやり方』をまとめてみました。
法律の条文『素読』の心得!!!!!
- 《第一》素読は、勉強が進み基本を身につけてから!!
- 《第二》メインの勉強はやっぱり『考える!考える!考える!』が基本
- 《第三》読むのは、過去問に出てきた条文だけ!!
- 《第四》勉強から逃げるな!!
- 《第五》条文の素読は、あくまで覚えた知識を思い出すツールとして活用する
- 《第六》音声教材の『聞き流し』はやめる
- 《第七》素読する法律はちゃんと選ぶ
基本的には、素読する条文は、重要で問題集や過去問に出てきた条文だけに絞るのが非常に効果的です。
とにかく条文は多いですから、絞りに絞りましょう。
問題集や過去問で条文が出てきたら、六法の条文にチェックを入れていくと、後々、『あぁこの条文は過去出てきたんだな』と一目瞭然で、効率が良いです。
あくまで、条文の素読はサブの勉強として利用するのがミソです。
その日勉強した所や、その週勉強したところを、また思い出すツールとして使うのがベストです。
ちなみに、《第六》の音声教材についてですが、これを利用する場合は、出来る限り、音声の視聴に集中できる環境で取り組みましょう。
何か作業をやりながらの聞き流し勉強には、ほぼ効果はありません。
(僕は、英語の勉強でこれやりましたが、1年半やって何も残りませんでした。)
《第七》に関しては、次項で。
『素読』勉強法が一番効果を発揮する法律は・・・『○○法』
前の項の、チェックリストの《第七》について、ちょっとイメージできないと思いますので、別項目で少し詳しく書いてみます。
条文の『素読』は、これが向いている法律と、向いていない法律があります。
条文の『素読』が向いている法律としての代表は、やはり民法です。
民法の勉強は、条文の『素読』が効果的だと言われることが多いです。
下記にザッとピックアップしてみましたので、参考にしていただけると幸いです。
条文の『素読』勉強が向いている法律
- 民法
- 憲法
- 行政法
- 商法
⇒ 向いている法律は、条文が比較的短い法律が代表的です。
条文の『素読』勉強が向いていない法律
- 会社法
- 手形法
- 刑法
- 訴訟法
⇒ 向いていない法律は、あっちこっち条文が引用されて条文を素読するとかえって混乱してしまう法律です。《代表例:会社法》
他は、条文の大切だけれども、どちらかといえば法律論の勉強が中心になるような法律は、条文の素読をしても効果が薄い傾向にあります。
法律の条文を『素読』する場合の注意点を守れば、素読はスキマ時間を埋める最強の勉強ツールになる!!
法律の素読による勉強が、最強の効果を発揮するのは、『スキマ時間』での勉強です。
僕も、スキマ時間をフルに使って素読をする機会が多かったと思います。
六法は安いですから、各法律ごとに切り離して持ち運べば、非常に薄い教材になります。
5分でも10分でも、サッと取り出して条文を確認できますので、便利。
『条文を読む』⇒『論点や法律論を思い出す』⇒『また条文を読む』
この繰り返しが、いつでもできますので、記憶に定着させる作業を繰り返すことが簡単です。
特に民法は、条文が極めて重要な科目ですので、行政書士試験などなら、基本が身についている人であれば、これだけでかなりの実力がつきます。
あとは、寝る前の確認にも最高です。
(まぁ、寝る前の記憶の整理などは、テキストで行う人が多いですから、ここはケースバイケースですね。)
最後に一言
いかがでしたか?
かなりザッとまとめたつもりですが、それでも長くなってしまいました。
一部、かなり端折っているところがあるので、少し分かりにくくなっているところもあるかもしれませんが、その部分は、ご容赦ください。
条文の『素読』はちゃんと注意すれば極めて効果的な勉強法なのですが、やり方を間違うと、ドツボにはまり、時間を無駄にします。
勉強している『つもり』になりやすい勉強法ですので、気をつけましょう。
(僕もやっちまいましたので・・・)
それでは、この記事はこのくらいで。