『返品して!』ECショップの典型的クレームトラブル13個と解決《ネットショップ運営初心者が読むべき事例》
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ECショップ(ネットショップ)の典型的トラブル事例と解決策《続き!4ページ目♪》
《トラブル8》詐欺だと言われた
トラブルの典型事例
典型事例
ECショップ(ネットショップ)であるお客様と取引した。
後日、そのお客様より『思っていたのとサイズが違う』との連絡が届いた。
『え?』と思い・・・
あわてて、商品のサイズの取り違えがなかったか?商品説明をECショップ(ネットショップ)側が間違えていないか確認をしてみた。
しかし、特に問題はなく、商品自体の取り違えも無いようだ。
どうやら、お客様側が、商品説明を十分に読まず購入されたようなので、その旨伝えたところ・・・。
後日返答で、『わかりにくく詐欺だと思うのでしかるべき対応をします』との連絡が返ってきた。
質問!
本当に詐欺になるの?
相手の要望を受けなければなにか問題があるのか?
僕がECショップ運営で実際に解決した解決策の例
ECショップ(ネットショップ)では、『詐欺だ』とクレームされることもある
凄い方だと、『詐欺だ!警察に言う!返品を受けろ!』とおっしゃる方もいらっしゃいます。
相当、希なトラブル事例ですが、僕も過去5年で数名出会った経験があります。
『詐欺』は証明が極めて難しい犯罪であることは知っておくとビビらない。
ECショップ(ネットショップ)の運営で是非とも知っておいて欲しいのは、『詐欺という犯罪が極めて証明が難しい犯罪である』という点です。
詐欺には、その犯罪が成立する要件が複数あります。
その中でも『故意(騙すつもり)』で詐欺行為を行ったという成立要件の証明が極めて難しいのです。
余程悪質かつ、頻繁に詐欺行為を繰り返しているような場合でなければ、詐欺として犯罪自体は成立しているものの、実際に警察が捜査を始めることは少ないのが現状だそうです。
※だからといって、絶対に犯罪はやっちゃいけませんよ。ECショップ(ネットショップ)の運営では『グレー』もダメです。
上のようなトラブル事例で、『詐欺』になるの?
上記のような、とんちんかんなクレームでは、詐欺が成立しないのは当然です。
ECショップ(ネットショップ)側には『騙すつもり』もありませんし、犯罪にはなりません。
加えて、ちゃんと商品説明にはサイズ表記が有り、ECショップ(ネットショップ)側には何の落ち度もありませんしね。
そして、お客様はそれに合意して商品を購入している以上、民事上も、何の問題もありません。
ECショップ(ネットショップ)側のトラブル対応としてはどうすべき?
このクレームトラブルへの対応としては、『警察に言うぞ』『訴えるぞ』と同じで問題ないでしょう。
当該トラブルは、明らかにモンスタークレームです。
丁寧に対応できない旨及び、ちゃんと商品説明に記載がある点、ECショップ(ネットショップ)側に問題がない点を説明すれば対応としては十分だと思います。
《トラブル9》『領収証を発行しないと支払いをしない』と言われた
トラブルの典型事例
典型事例
自分が運営しているECショップ(ネットショップ)では経費削減とペーパーレス化のため、事前に『領収証の犯行はしていない旨』を告知している。
そんな中、あるお客様に商品を購入頂いた。
こちらのお客様は、クレジットカード払いは選択せず銀行振り込みをご希望とのこと。
購入時連絡欄には『領収証をお願いします』と一筆。
念のため、『当店では領収証を発行していません』という連絡をさせていただいたところ、『領収証を発行しなければ支払はしません』と言われた。
質問!
当ECショップ(ネットショップ)では、事前に告知もしているし、他のお客様との公平を考えても、できれば領収証を諦めてほしい。
そもそも、『領収証の発行がなければ支払をしない』という言い方は正しいのか?
僕がECショップ運営で実際に解決した解決策の例
お客様には、法律上『領収証を出さないと支払わない』という権利がある
あります。
領収証を出さないと、支払いをしないという権利が。
根拠は民法にあるのですが、法律上の用語を使って表現すると、この権利は、『同時履行の抗弁権』といいます。
まぁ、簡単にいうと、『要望聞くまでは支払を保留しますよ』と言える権利ですね。
つまり、このトラブル事例でのお客様の主張は法律上も正しいということになるのです。
ということはECショップ(ネットショップ)側は、お客様の要望を聞く必要がある
このトラブル事例の『領収証を発行するまでは支払いをしない』というお客様の要望は聞く必要があります。
でも、事前に告知してありますから、相手はこういう権利を放棄しているとも言えます。
ただ、いずれにしろ、お客様が支払いをしないという場合、これを強制的に支払わせるのは困難を極め、現実的には不可能です。
ですから、やはりこういう場合は、何か代案を提案する、もしくは素直に発行する。
いずれかの対応がベストだと思います。
《トラブル解決策 その1》代案の提示
領収証を発行してほしいというお客様に対してのトラブル解決策として、領収証を発行しない場合の代案でもっとも有効な提案があります。
それは、『銀行振込明細書で代用できませんか?』との提案です。
実は、銀行振込明細書は、税務上、領収証の代用として、機能します。
ですので、銀行振り込みを選択されているお客様であれば、領収証がなくても実質問題がありません。
ネットバンキングの振込でも明細書は表示されますから、こちらを代用頂くようお願いしましょう。
僕の場合は、どうしても発行ができない場合(例えばメーカ直送)の場合で同梱ができない場合などは、お願いすることがあります。
《トラブル解決策 その2》領収証を発行する
領収証は、普通に文具店などで販売されていますし、余程頻繁に発行するような場合でなければ、そう多くの経費がかかるわけではありません。
特に、問題がない場合は、素直に発行し、お客様のニーズ通りに対応するのが、一番スマートかもしれません。
《トラブル10》後払いを申し込まれ、商品を送付しても支払いがない
トラブルの典型事例
典型事例
ECショップ(ネットショップ)へ、お客様より注文が入った。
要望欄には、『急いでいるので、できれば先に配送をお願いしたい。後日支払はします。』とのこと。
かなり切迫した様子だったので、お客様サービスも兼ねて先に商品を配送した。
3日後、運送業者の追跡確認をしたところ、お客様は商品を受領しているよう。
そこで、お客様に『支払期日』についての連絡を頂けるよう催促をしてみたが、その後1週間経過しても、返答も入金もない。
質問!
正直かなり困っています。
好意で先配送をしましたが、お客様より連絡も支払いも頂けない。
このまま、お客様より連絡も入金もなければ、諦めるしかないのでしょうか?
僕がECショップ運営で実際に解決した解決策の例
当該トラブルでは、単刀直入に申し上げて『どうしようもない』のが現実
このトラブルは、お客様の詐欺といえる事例です。
このような場合、相手に強制的に支払わせるには、裁判や支払督促など、裁判所が関わる債権回収手段を使わなければ、『強制的』に回収はできません。
でも、お客様より『訴えるぞ』と言われたときどう対応すべきか?の項でも書きましたが、このような裁判所が関わる手段を採用すると赤字になってしまいます。
となると、諦めるという方法が『一番損害が少なくて済む方法』なのです。
正直、このような場合はどうしようもありません。
お客様の『先に発送してくれ』は担保がなければ絶対に応じてはいけない
正直、余程の場合でなければ、トラブルの元だと思います。
僕は、余程担保がある場合でなければ応じませんし・・。
ECショップ(ネットショップ)の対応としては、基本的には先にお客様の支払いがない場合で、荷物を配送してしまうのはやめた方がいいと考えています。
応じてもいいのは、例えば下記のような場合です。
- 相手が法人で、担当者の確認が取れたとき
- 代引き手続きの場合
- 支払がないことを覚悟し、特に損失も低い場合
- 何らかの担保がある場合
上記のような場合であれば、支払いをしてもらえ無い場合、一定の担保がありますから、なんとかなる場合があります。
でも、相手がごくごく一般の消費者(お客様)である場合は、基本的に支払が無い状態での先配送はやめておいた方がトラブル防止には効果的です。
まだまだ続く!次のページからは典型的なトラブル11事例から!