『苦手!』が『得意に!』行政書士試験に一発合格するための記述対策9つの極意
行政書士試験は、法律資格ですので、法律科目が課されます。
最近は、行政書士試験も様変わりしたようで、難しくなったと言われています。
その上、行政書士試験では、記述式問題が出題されます。
そして、やっぱり記述式問題は難しいです。
といっても、記述式もちゃんと勉強さへすれば、難なく書けるような問題になっています。(一般知識は頑張れば頑張るほどドツボにハマる人が続出)
ここでは、そのちょっとした記述対策の『コツ』を公開したいと思います。
INDEX
行政書士試験における記述式問題の採点基準は厳しい!
記述式と採点基準
行政書士試験の記述式問題は、行政法と民法からよく出題されます。
この2科目については、しっかりと記述対策をする必要があります。
この記述式について、行政書士試験では、採点基準は公開されていませんが、どうやら、この採点基準は、厳し目に設定されているようなのです。
例えば、出題された問題が、自分の得意なところの出題だったとします。
おそらく『完璧!!』と言えるほどの記述ができるでしょう。
でも、満点を取るのは非常に困難だそうです。
僕が受けた本試験でも、判例や法律論を参考書・テキストを見ずに議論ができるほど、かなり勉強していたところが出題されました。
もちろん、もうこれでもかという解答を書いて出てきました。
でも、合格通知の成績表を見ると満点ではなく本気で『はぁ?』という気分になったほどです。
行政書士試験の記述式の採点基準は、それほど厳しいということ。
そのため、満点を狙う勉強は無駄で、ほどほどに得点していくスタイルが、時間対効果の点でおすすめです。
択一式の点数の調子にもよりますが、大体6割も得点できれば十分じゃないかと思います。
行政書士試験における記述式問題の位置づけ!
最近、行政書士試験の記述式は、あるていど法的思考ができなければ得点できない傾向にあるようです。
『ヤバイ!難しそうだな!』
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、心配ありません。
個人的には記述式問題は、『おまけ』のような位置づけであるとも思っていますから。
合格基準点を超えていくために、択一式の得点に上乗せするイメージ結構です。
これ以上、高得点を取ろうとすると、本当にありえないほど深く勉強しないとだめです.
下手すると上位資格の参考書・テキストまで勉強する必要が出てきます。
これは、明らかに『手を広げすぎ』になるので、時間対効果が低すぎます。
行政書士試験の勉強で『手の広げすぎ』は不合格へ近道ですから、これはおすすめできません。
記述式の極意
行政書士試験の記述式問題の、特徴とどのくらい勉強すれば良いかの目安を書きました。
さぁ、早速記述式の極意の内容に入っていきましょう。
《記述の極意!!》行政書士試験に一発合格する勉強法
- 1)文学的表現はいらない
- 2)一読了解が基本
- 3)キーワードを使う
- 4)問題文が何を求めているのかをよ~く考える
- 5)実際に考えて書く
- 6)考えるときは下書きをする(手を動かす)
- 7)一番基本的な原理原則から結論を導く
- 8)よく使うフレーズは覚えてしまう
- 9)できれば人に評価してもらう
1)文学的表現はいらない
行政書士試験の記述式問題は、あくまで法律の文章が書けるかどうかを見るものです。
法律の文章で要求されるのは、誰が読んでも文章で言いたいことが明白な論理的・合理的な文章です。
イメージとしては、数学の数式を文章で表現したような感じです。
具体的には、1+1=2という数式に、文学的表現や歪曲的表現は一切含まれませんね?
これと同じように、法律の文章でも、歪曲的表現や文学的表現は、非常に嫌われます。
一般的な法律の文章と同じで、行政書士試験の記述式で求められる文章にも同じことがいえます。
文学的な表現の文章が正解にならない理由
ちなみに、文学的な表現とは、『小説に出てくるような文章の表現』です。
このような文章は、読む人によって解釈が異なり、10人10色の顔をみせます。
つまり、どんな主張をしているのか一つの意味に定まらないのです。
仮に、行政書士試験の記述式問題に、文学的な表現の文章を用いて解答したとしましょう。
あなたならば10人10色の解釈が成り立つ文章を、下の条件でどう採点するでしょうか?
◇全受験生の間で、絶対に不公平にならない採点をすること
(採点基準が公平であること)
無理じゃないですか?
だから、文学的な表現の文章が、行政書士試験の記述式問題の正解であるはずがないのです。
行政書士試験の記述式問題は、しっかり勉強した受験生なら、同じような解答が書けるように作られています。
そこにクリエイティブは求められません。
文章ではあるものの、数式のように割り切ってスパッと分かりやすく書くことが必要なのです。
2)一読了解が基本
文学的表現は必要ないというのと似ていますね。
でも、ここでの意味は『分かりやすく書く』という意味です。
行政書士試験の記述式問題の解答は、分かりやすい文章で書くことが大切です。
頭から読んで、誰でもスッキリ理解できる文章を書きましょう。
ただ、行政書士試験の記述式問題は、そう長文を書かせる問題ではありません。
特に意識せずとも、分かりやすく書くことに苦労することはないでしょう。
3)記述式の解答では、キーワードを使う
解答スペースを有効活用できる
行政書士試験の記述式問題で、十分な点数を得るためには、『キーワード』を意識的に使うことが大切です。
キーワードとは、法律用語(単語)のことを指します。
行政書士試験の記述式問題は、論文ではないので限られたスペースで、解答しなければいけません。
このとき、キーワードを自由自在に使えるのと、これを使えないのとでは、有効活用できるスペースが違ってきます。
十分に得点をするためには、キーワードをいくつぶち込めるかが大切ですので、ここは落とせません。
キーワードにこそ配点がなされている!
そして、行政書士試験の記述式問題の解答には、このキーワードに配点がされています。
ですから、行政書士試験の記述は、問題文を読み考え、穴埋めをするような感覚で文章を書くと着実に得点できます。
まぁ、これは、他の法律資格試験でも、論文式が課されるものでは、同じようなことが言われます。
キーワードを重視する勉強は、最も効果的な対策だと思います。
4)問題文が何を求めているのかをよ~く考える
行政書士試験の記述式問題では、問題文を絶対に読み間違えてはいけません。
問題文には、試験を作った人の、メッセージが必ず散りばめられています。
試験を作った人のメッセージの例
例えば、民法の問題で『どのような請求が出来るか』と問われれば、『複数の請求』を検討しなければいけません。
他に、『不法行為に基づく請求ができるか』だと、不法行為の要件を検討しなさいということになります。
この時に、例えば、債務不履行に基づく請求ができるかどうかを検討すれば、もうその年は終わりです。
また、前者で、債務不履行のみの請求のほか、不法行為に基づく請求も可能なのに、これを落とすと終わります。
他にも、『どのような主張ができるか』だと、解除・請求・取消・相殺など、民法上の法律効果を横断的に検討しないとダメです。
メッセージの具体例は、多すぎてここで全部は書けませんので、ご自身で勉強していただきたいと思います。
結局、言いたいことは、問題文をちゃんと読みましょうということです。
とんちんかんなことを書かなければ大丈夫。
ここでは、問題文には、書いて欲しいことについてのメッセージが必ずありますよということだけわかって頂ければ十分です。
5)実際に考えて書く
時間はかかるが、解答は実際に書いてみると実力が跳ね上がる!
行政書士試験の記述式問題の出題範囲はそんなに広範囲ではありません。
解答の文章も、短文ですし、実際にペンで解答を書く勉強をしても、そう時間を食うものではありません。
実際に書いてみると、正確に法律用語や法律論を覚えているのか確認できます。
また、僕がアホなのかどうか分かりませんが、意外にも『漢字』が書けなかったりします。
例えば、民法の占有のところの『権原』という漢字。
権限ではなくて、権原です。
そういう間違いも修正できるので、おすすめです。
実際に自分の頭でよ~く考える
行政書士試験の記述式の問題文には、問題を作った人のメッセージが必ず散りばめられているという話をしました。
このメッセージを拾えるようになるには、今まで見たことのない問題を、何問か実際に解いてみる必要があります。
実際に、問題を読んで、よ~く考えて解くことを繰り返し行います。
このようなトレーニングをして初めて、メッセージを受け取ることができるようになります。
問題を解くときには、解けなくてもいいので、考える癖だけはつけましょう。
6)考えるときは下書きをする(手を動かす)
行政書士試験の記述式問題を作った人のメッセージを受け取るためには、実際に考える作業をしないとダメだという話をしました。
このとき、解答の文章を作る前に、ちゃんと下書きをして『自分の思考の筋道』を書き留めておきましょう。
画像のような下書きを書き、ガンガン間違え、修正することで実力はグッと上がっていきます。
7)一番基本的な原理原則から結論を導く
一番基本的な原理原則から、結論を導く癖をつけましょう。
行政書士試験の記述式問題では、見たことがない判例や、知らない論点が出題されるときもあるでしょう。
そんなとき、一番基本的なところから、論理的に、筋道建てて文章を作成し、解答を作ります。
見たことがないような問題への対処は、もうこれしかないのです。
全部の範囲の記述式問題を覚えるなんてことできませんから、知らない問題は、現場でガッチリ考えて文章を作るしかありません。
普段から基本的な原理原則から考える練習をしているかどうかで、行政書士試験に合格できるかどうかが決まってしまうこともあるのです。
8)よく使うフレーズは覚えてしまう
行政書士試験の記述式問題への解答では、しばしば定型文のように共通したフレーズが出てきます。
このよく出てくるフレーズは覚えてしまいましょう。
ちなみに、『キーワード』について前に書きましたが、このキーワードとフレーズは違います。
キーワードは法律用語などの『単語』で、フレーズは『短文』です。
こういうフレーズを覚えておくと、本試験で時間の節約になり、考える時間をより長く取ることができるので有利です。
9)できれば人に評価してもらう
得がたい機会かもしれませんが、自分の書いた文章を人に評価してもらうのは、すごく勉強になります。
行政書士試験の記述式問題への解答でも同じです。
自分ではこれでいいと思う文章でも、他人が評価したときには足りないかもしれません。
そいう意味では、模試などは、気兼ねなく文章を他人に評価してもらえる貴重な機会だといえますね。
まとめ
お疲れ様でした。いかがでしたでしょうか?
ここに書いてあることを実際に実践していただけると、行政書士試験の記述式対策としては、十分すぎるほどの対策となります。
9つの鉄則を意識し、日々勉強をすれば、記述式で、十分な点数を獲得できると思います。
是非、一発合格を!!
本気で応援しています。