1時間で民法がわかった!皆が勉強する基本中の基本16項《総則・物権法編》【行政書士・法律資格用】
法律資格ではいろいろな法律が試験科目になっています。
その中でも、多くの資格試験に共通して試験科目となっているのが『民法』という法律。
そんな法律資格試験(行政書士試験)を攻略する要となる民法について、みんなが勉強する基本中の基本をまとめてみました。
今日はざっくり概要を書いていこうと思います。
ずっと書きたかったのですが、民法は量がすごいですから、なかなか挑戦できず避けていました。
『今年中には!!』
そう考えておりましたので、この度UPしてみました。
とりあえず・・この記事では、総則・物権法について。
普段、長文の記事が多い僕ですが、この記事は、このブログでもグンを抜くほど長い記事となるかと思います。
ゆっくり時間が取れるときに読んで頂ければ幸いです。
(現時点で記事を分けてトータルで3つほどUPする予定です)
内容は、『民法をこれから学びたい!!でもその前にちょっとざっくり概要をつかみたい』そういう方に向けて書いております。
長いですが、これを読めばざっくりと民法のイメージが仕上がる内容にはしてあります。
また、行政書士試験を受験される方や、公務員試験・宅建に挑戦される方に向けて、試験でのポイントを適宜書いていますので、参考になるでしょう。
それでは早速。
2014年 7月16日 更新しました!!
INDEX
《前提》なぜ民法は基本のイロハ(概要)を知る必要があるのか?
民法は勉強すべき分量が極めて多い法律だ!という話
民法は、たくさんある法律の中でも頭一つ抜け、勉強すべき範囲の広い科目です。
『ザ!分量No1』という称号にふさわしい法律です。
そして、比較的細かい知識まで平気で出題されるので、『ヤマを張ることのできない法律』でもあります。
それだけの分量があるのですから、いきなり分厚い問題集やテキスト・参考書にとりかかり、勉強をしても挫折する可能性が高くなるだけです。
事実、民法を一通り最後まで勉強できないばかりに、資格試験から撤退してしまう人が多いという話は有名です。
つまり、民法という法律を勉強する段階で、挫折して諦めていく人が多いのです。
民法を勉強すると、『勉強しても勉強しても終わる気がしない』という印象をもってしまうことは、決して珍しくなく、一般的によくある感覚です。
ここに、負けないことが民法をマスターする秘訣であることは言うまでもありません。
民法のテキスト・参考書(専門書・基本書)はどれも電話帳!?みたい?
本屋に行き、民法の専門書や参考書・テキスト・問題集を手にとってもらうと分かるともいますが、
民法の教材は、タウンページ(電話帳)のような分厚いものばかりです。
民法の専門書は、300ページ以上もある分厚く重い本が、合計で4~5冊あることも珍しくありません。
みんなが知ってる有名な専門書になると、500ページを超える本が4冊にもなります。
憲法・行政法等は、有名な専門書でも1冊ほど。
他の法律と比較して民法がどれほど、勉強すべき範(分量)の多い法律かご理解いただけると思います。
民法をスムーズに攻略するためにどのような勉強法がいいのか?
勉強すべき分量が極めて膨大な民法。
一般には、一歩一歩じっくり理解していく勉強法が、遠いようで近い勉強法だるように思えます。
でも、実はより効率よくマスターし、同時に挫折も防止するためには『理解できなくてもガンガン進み、一度ざっくりと全体を見渡す勉強法』が最も効果的だったりします。
基本的な部分だけでもざっと全体を確認し『あぁそんな感じなんだな』と頭に入れておくこと。
これは、民法をスムーズに勉強し、マスターするために、本当に大切なことなのです。
一度、概要を読んでみて、民法という法律がどういうものかをざっくり理解しておく。
その後で、問題集に取り組んでいく。
このように段階を踏んでステップアップしていきましょう。
本当は、下記の記事に書いているように、入門書を3冊程読んで欲しいのですが・・。
《関連記事》
法律系資格:『法律は難しい・・』を克服する入門書3冊の破壊力
『忙しく本屋に行く暇がない』『自宅で読みたいが、本を購入するのは嫌だ』という方は、この記事に書いている内容でざっくりと理解すれば、同様の効果が得られます。
民法をスムーズに攻略する勉強法は、一度全体をざっくりと理解することと覚えておきましょう。
なぜ、こういう勉強法が有効なのかは、民法の構造にかかわる話ですから、後で書いていきます。
民法ってどんな法律だろうか?を知っとくと理解が深まる!!
民法という法律の役割
民法とはどういう法律なのでしょうか?
一番しっくりくる表現は、市民の法律という表現です。
僕たちが、人と人の関わりある市民社会で生きていくとき、様々な人と人のトラブルに直面する機会があります。
このトラブル、人と人の話し合いで解決ができれば一番です。
でも、時には、お互いに譲れないものがあるのが人情です。
譲れないまま歩み寄れず、どんどんトラブルは発展していきます。
ですから、どこかでどちらが勝つのか?どちらが正しいのか?を決定してしまいトラブルを解決する必要があります。
その市民と市民の間のトラブルを解決するための基準を示した法律が民法です。
民法の考え方の特徴
民法の世界では、必ず一定の結論が存在します。
どっちつかずで、宙ぶらりん・・・結論を出さず濁して終わりということは絶対にありません。
しかも、その結論は、一般的な国民の感覚(常識)に照らして『妥当』なものでなければいけません。
まず、結論ありきなのです。
そして、民法で出てくる事例の多くには、大抵『常識に照らして考えると、救わなくてはいけない人』が登場します。
なんとしてでも、この人を法律で救済しなくては、常識的に考えてかわいそうだ!というケース。
こういう場合に、まず常識的に考えて『救うべき人を救う』という結論が決まります。
でも、民法の条文を『文字通り読む』と、このような救うべき人を、『救えない』という不当な結論になってしまうという不都合が出てくるのです。
これでは結論が常識的におかしくなります。
条文をそのまま読めば、常識的にかわいそうな人を、救えない。
だから、条文を『解釈』することによって、救うべき人を法律的に救って行こう!!
つまり、常識的に妥当な結論を導くために、法律の条文を屁理屈で捻じ曲げてしまうのが、民法の思考の流れです。
ここが民法における最大のテーマ。
こういう『救うべき人を条文をそのまま読んだだけでは救えない』という悩み(不都合)が出てくる所が、一般に『論点』と呼ばれる箇所に当たります。
重要判例と呼ばれる最高裁の判例は、現実と理想のギリギリのところで、妥当な結論を見出しています。
上のような思考パターンを、民法の世界では『原則・修正パターン』といいます。
民法は常識で問題を解くこともできる
そのため、民法は、意外と『あぁこれ常識的に考えるとこうだよな』という感覚で正解できることがあったりします。
結構身近な法律・・・それが民法なんですね。
ただし、常識的な感覚を使って、たまたま正解してしまった問題は、絶対に法律的な説明ができるまで勉強する必要があることは言うまでもありません。
常識的に考えて正解できたのは、あてずっぽうであって、本当に民法の実力がついているからではありませんからね。
ここ落とし穴になりますから、注意です。
ここからが本題!!これからする話をザッとご紹介!!
- 1)全ての法律の基礎
- 2)総則
- 3)物権法
- 4)ここまでのまとめ
1)全ての法律の基礎・・民法!!
民法を征する者は法律資格を制する!
『民法を征する者は、法律資格を征する』という言葉があります。
これは、民法が多くの法律の基礎となる法であるためこういわれます。
つまり、民法を一通り勉強すると法的思考力の基礎が身につくということです。
法的思考力が身につけば、他の法律でも応用ができるようになります。
民法をしっかり勉強すると、法律の素養が、ガンガン磨かれます。
これこそ民法を征する者が、法律資格を征するとまで言われる所以です。
法律の基礎は民法につまっている!
下記の記事では、行政書士試験において、初めに学ぶべき法律科目を、民法としています。
詳しくは下記に委ねたいと思いますが、その理由も上記の理由が大きく関係しています。
《関連記事》
行政書士:楽に効率よく法律科目をマスターしたいなら『順序』を意識して勉強せよ!!という話
上の記事では、行政書士試験では、民法よりも行政法のウエイトの方が高いにもかかわらず、民法を優先的に勉強すべきとしています。
それほど民法という科目が法律の基礎を磨くのに適した法律だからです。
法律資格の取得を考える方は、是非、民法を得意科目にしましょう。
ちなみに、法律資格を横断的(複数)に取得していく場合、民法が得意だと非常に有利です。
公務員試験でも、行政書士試験でも、宅建・FP・・・人気の資格の科目には民法が頻繁に登場します。
しかも、どの資格でも比較的ウエイトが高く、民法が得意だとそれだけで、試験勉強が非常に楽になります。
それでは、以下、本題へ。
さぁ!!始まります♪
次ページからは、民法総則のイロハへ!!